16:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:36:30.85 ID:r/YI2ILr0
『ぼくはほんとうにゆうれいなんだよ いまきみのうでだけにひょういしてる』
は・・・ははは・・・・・・だめだ。もう頭が理解できない。
俺の顔は引きつった笑みを浮かべる。
17:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:39:14.25 ID:r/YI2ILr0
「それで、俺に何か用事があるんだろ?」
『うん ぼくがじょうぶつするためにきょうりょくしてほしいんだ』
どんなことでも協力してやるよ。
18:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:42:23.77 ID:r/YI2ILr0
俺は固まる。
波川さんに告白しろ、だって?
「できるわけないだろッ!だって、お前は彼女のことが好きなんだろ?」
19:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:45:20.15 ID:r/YI2ILr0
「でも、やっぱり無理だよ。だって、波川さんはお前のことが好きなんだよ」
『きいたよ』
なんだ、聞かれてたのか。
20:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:48:03.41 ID:r/YI2ILr0
−−−
授業が終わり、私は教科書やノートを鞄に入れる。
はぁ、今日は塾がある日だ・・・・・・めんどくさいけど仕方がないなぁ。
そういえば、春樹君が死んだ時も塾の日だっけ。
21:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:52:31.39 ID:r/YI2ILr0
−−−
屋上で待っていると、秋人が来た。
「春樹、いるんだよな?とりあえず呼んできたから、ちゃんと見とけよ〜」
22:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:55:29.06 ID:r/YI2ILr0
「ふぅ・・・・・・」
幽霊の体とは違って、人の体は、重力を感じるし、何かに触ることもできるし、誰かと話すこともできる。
でも、彼の体を乗っ取るわけにはいかない。
僕はキッと前を見る。
23:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:58:20.67 ID:r/YI2ILr0
「あぁ。でも、僕はもう死んでるからそれができない。だから、秋人と幸せになってくれ。アイツは良い奴だし、信用もできる。だから、彼と、幸せ、に・・・・・・」
その時、意識が遠のきかける。
直後、秋人と僕の魂が分離する。
秋人は倒れ込むかと思ったが、すぐに腕で自身の体を支え、立ち上がる。
24:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 21:01:20.38 ID:r/YI2ILr0
「二人とも。僕と仲良くしてくれてありがとう。二人とも、大好きだよ」
「春樹君!」
夏美は僕の体を抱きしめた。それと同時に、僕の体は崩れ去った。
体はなくなったのに、意識だけある。その意識も、徐々に空に昇っていく。
25:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 21:04:17.67 ID:r/YI2ILr0
−−−
「・・・・・・いっちゃったね」
波川さんの言葉に、俺は静かに頷く。
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