過去ログ - 強い想いがあったなら
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21:名無しNIPPER
2016/03/20(日) 20:52:31.39 ID:r/YI2ILr0
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 屋上で待っていると、秋人が来た。

「春樹、いるんだよな?とりあえず呼んできたから、ちゃんと見とけよ〜」

 見えないし聴こえないんだろうけど、僕は「了解」と手で丸を作った。
 その時、夏美が入ってくる。

「長月君・・・・・・来たよ」
「見れば分かるよ。あのさ、波川さん・・・・・・俺は、君のことが好きだ。付き合ってほしい」

 秋人はそう言って頭を下げ、右手を差し出した。
 さぁ、どうなるか。

「その、ごめんなさい・・・・・・私、今でも春樹君が好きなの、だから・・・・・・」
「あああああああああああああ。やっぱりこんなことできねえよ。なぁ、春樹ッ!」

 突然名前を呼ばれ、僕は肩を震わせた。
 なんで?今、僕の名前を・・・・・・。

「春樹って・・・えっと・・・・・・」
「春樹。俺の体を使えよ。憑依とやらを使って、彼女に思いを伝えやがれ」

 何を言っているんだ?彼は。
 僕に、告白しろって・・・・・・。

「長月君、何言ってるの?」
「すぐに分かる。いいから、春樹。早く俺の体に憑りつけ。今しかお前にチャンスはねえんだぞ」

 あぁ、そうだ。今しか、もう伝える機会はないんだ。
 今を逃したらもう、永遠にチャンスは訪れない。
 僕は気付けば、秋人の体に憑りついていた。
 最後に小さい声で、「頑張れよ」と言われたような気がした。


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