6: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:28:39.27 ID:YEu02TvIO
同い年の2人は、それから毎日のようにレッスンを共にし、会う日はめいっぱい話し、会わない日は電話で話すことがほとんどであった。
会話の内容はとりとめのない、少女のよくある話。
7: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:29:24.12 ID:YEu02TvIO
順調に2人がレッスンを重ねていったある日、美穂がいつものように養成所へ行くと、トレーナーと見知らぬ男性が話していた。今日のレッスンを見学するらしい。
いつもなら卯月に、誰なんだろうね?などと話しかけるところであったが、学校の行事でお休みのようだ。
8: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:30:30.39 ID:YEu02TvIO
…………
「もしもし、卯月ちゃん、明日、レッスン来るよね?」
9: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:31:28.65 ID:YEu02TvIO
この日、レッスンを見学していた男性は、芸能プロダクションのプロデューサーをしている人であった。このプロダクションは、規模は小さいながらも、有力なタレントを排出している。しかし、これまでの所属タレントの平均年齢は決して低くなかった。
そのプロダクションが、この度、アイドル部門を設立し、ファンの層を拡大する戦略を取ることになった。それに伴って、各地の養成所などを見て回っているらしい。
美穂はそのプロデューサーにスカウトをされた。
10: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:32:33.36 ID:YEu02TvIO
「『今日は本調子ではなかったので、明日また見て欲しい』なんて、よくあんなウソをつきましたね」
男性が養成所を去った後、トレーナーは呆れたように言った。
11: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:33:34.09 ID:YEu02TvIO
“この笑顔は天性のモノだ”
最初に会ったトレーナーはそう感じ、美穂も全く同じ感想を持った。
12: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:34:55.30 ID:YEu02TvIO
アイドルとしてのレッスンは、養成所の何倍もハードなものであった。
もしかしたら、卯月がいなければ挫折していたかもしれない。その卯月も、決して弱音を吐かず、毎日レッスンをこなしていた。
13: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:35:41.80 ID:YEu02TvIO
「プロデューサーさんって、魔法使いみたいだよねっ」
初ライブの衣装を見せてもらった日の帰り道、美穂は卯月にそう言った。
14: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:36:27.71 ID:YEu02TvIO
尊敬。
15: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:37:17.35 ID:YEu02TvIO
初ライブは大成功。プロダクションのアイドル一期生として、まずは良いスタートを切ることができた。ファンも順調に増えているようだ。
さて、よくアイドルには、『このユニットの中で誰が好き?』という問いが生まれる。
だが、卯月と美穂は、その溢れる仲の良さや雰囲気が最大の魅力のため、ファンの間でそのようなやり取りは生まれないのだ。
16: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2016/03/21(月) 19:38:30.27 ID:YEu02TvIO
ある日、雑誌の表紙を飾ることとなり、2人で写真撮影に臨んだ。
普段、例えば特に会話をする仕事や撮影ではNGを出しがちな美穂であるが、写真撮影はお手の物。
そのはずであった。
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