過去ログ - 桃子「家族になろうよ」
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7:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 05:14:52.93 ID:2LZbuCOD0
「何貰おうかなーって思ってさ。 ほら舞台の打ち上げの時に言ってくれたやつ」

「なんだよ、そんなことで悩んでたのか。 何でもいいって言ってるだろ」

「うーん」
以下略



8:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 05:16:26.12 ID:2LZbuCOD0
「……指輪って」

「だって琴葉さんも育も、自分のプロデューサーさんから貰ったことあるって言ってたよ」

そりゃあの2人のプロデューサーが特別なだけだと、桃子のプロデューサーは心の中で同僚2人の顔を思い浮かべる。
以下略



9:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 05:17:29.03 ID:2LZbuCOD0
「お前、まだ15歳だろうがよ」

「今年の誕生日で16歳だもん」

いつの間に目の前に移動してきた桃子が、そう言う。
以下略



10:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 05:18:53.94 ID:2LZbuCOD0
「お、俺は……」
自身の胸にプロデューサーは聞いてみる、自分が桃子のことをどう思っているのかを。
好きか、嫌いかで言われたら好きだ。
それは間違いない。
でも好きにもいろいろあるわけで、俺が桃子への愛は保護者としてのそれなのか、それとも特別な相手へのそれなのか。
以下略



11:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 05:21:13.14 ID:2LZbuCOD0
この子の家庭事情については理解しているし、それでも前に進むこの子を支えたいと思った。愛情が不足していたこの子に自分が与えられるだけの愛情を注ごうと、そう思った。
それならやっぱり保護者として好きなのだろう。
だけれども、そう心の中の自分が言い返す。

脳内会議は踊る。自問自答は続く。
以下略



12:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 05:22:42.87 ID:2LZbuCOD0
「あっはっはっはっ、もうダメ……。 プロデューサーってば、そんなに真剣に考えてくれたの?」
胸のほうから笑い声が聞こえてくる。
桃子の笑い声だった。
笑いすぎたからなのか、目元の涙を拭って、必死に口元を抑えて笑いを堪えようとするが、どうにも上手くいってないようだった。はたと、プロデューサーは気づいた。

以下略



13:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 05:24:39.22 ID:2LZbuCOD0
「うるせぇやい」

ぶすっとした声でプロデューサーは返事をする。
心の中は恥ずかしさと一回り下の子に手玉に取られた自分への情けなさでいっぱいであった。

以下略



14:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 05:25:43.51 ID:2LZbuCOD0
「あぁいいぞ、……ったくもうお前ときたらもう」

「もうごめんってば、あーもうメイク落ちちゃったじゃない。ちょっとなおしてくるね」

「泣くほど笑うんじゃないわい」
以下略



15:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 05:26:57.82 ID:2LZbuCOD0
「『お兄ちゃん』だと、桃子の恋人になれないでしょ? だからだよ」

そう言って長い付き合いのなかで初めてではないだろうか、くすぐったそうに笑った。

バタンと扉が閉まったのを確認して、
以下略



16:名無しNIPPER[sage]
2016/03/22(火) 05:27:57.12 ID:2LZbuCOD0
トイレの鏡の前に立つ私は締まりのない顔をしていた。
ちょっとでも気を抜くとえへえへと到底人様には見せることができないような顔を晒してしまいそうなそんな顔。
さっきちょっとだけプロデューサーに嘘をついてしまった。
メイクが涙で崩れちゃったのは本当。
でも笑いすぎて涙が出ちゃったわけじゃないのよ。
以下略



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