過去ログ - 高峯のあ「アイドルになる」
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33: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 01:05:08.67 ID:vxIFxQsM0

 のあ「貴方が、卯月の担当をしていたから」

 この言葉を、彼女の口から聞くまでは。



34: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 01:07:54.11 ID:vxIFxQsM0
 店を出て、特にどこという宛てもなく歩く。

 一日働き詰めた身体は弱々しく悲鳴を上げたが、立ち止まってしまうと次の一歩が二度と出ない気がした。

 俺の隣を歩く彼女は、のろのろとした俺の歩調に合わせてくれている。
以下略



35: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 01:09:47.31 ID:vxIFxQsM0
 P「もしかして、彼女の代わりにトップアイドルになろうって、そういうことなのか」

 彼女は小さく、しかし確実に首を横に振った。

 そして、慈しむような優しい声で、囁いた。
以下略



36: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 01:18:34.36 ID:vxIFxQsM0
 P「……そもそもあんたは、どうして俺が卯月のプロデューサーだとわかったんだ」

 のあ「……」

 彼女は押し黙った。
以下略



37: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 01:21:25.13 ID:vxIFxQsM0
 P「あんた、名前はなんていうんだ」


 のあ「……高峯、のあ」

以下略



38:名無しNIPPER[sage]
2016/03/25(金) 01:42:32.38 ID:M4GKgmEGO
いいね


39: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 02:04:47.25 ID:vxIFxQsM0
 次の日の、午後九時ごろ。

 自分以外の全員が帰宅した事務所で、俺は彼女のステータスを確認していた。


以下略



40: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 02:06:25.01 ID:vxIFxQsM0
 測定の後に、空いたスタジオを利用してダンスレッスンを行った。


 これからの方向性を決める参考のために、どれだけ身体が動くのかを確認するつもりだったが、結果は予想以上だった。

以下略



41: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 02:09:02.05 ID:vxIFxQsM0
 ボーカルレッスンを行ったときも、俺は開いた口が塞がらなかった。

 彼女は突き抜けるようなハイトーンから、しっとりと艶のある歌声まで、自在に声色を変えることができた。

 声量も、音の伸びも、どれをとっても文句はなかった。
以下略



42: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 02:11:56.42 ID:vxIFxQsM0
 ひとたびモデルの仕事をこなせば、新人であるにも関わらず紙面一ページを丸ごとかっさらった。

 感情を表に出さず、含みを持たせた発言は、強烈な印象を周囲に振り撒いた。

 期待の新星として取りざたされた彼女に関する噂は、瞬く間に全国に広がった。
以下略



43: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 02:15:41.50 ID:vxIFxQsM0
 世間は面白いように彼女に食いついた。

 信じられない数の仕事の依頼が彼女に舞い込み、その中には企業CMのオファーまであった。


以下略



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