過去ログ - 高峯のあ「アイドルになる」
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7: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:13:14.34 ID:vxIFxQsM0
 俺は、数多存在するアイドルの中で、頂点を取るアイドルを育ててみたかった。

 いわゆる、"トップアイドル"と称されるものだ。

 そのアイドルのプロデューサーとして、一番近い位置で、頂に君臨する瞬間に立ち会いたかった。
以下略



8: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:14:02.98 ID:vxIFxQsM0

 「アイドル、とっても楽しかったんですけど、私じゃきっと、プロデューサーさんの意には沿えないから」



9: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:18:32.64 ID:vxIFxQsM0
 数時間前に聞かされたセリフがフラッシュバックする。

 担当していたアイドルに話があるといって呼び出されて、聞いてみればこれだった。


以下略



10: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:20:37.48 ID:vxIFxQsM0
 彼女をプロデュースしながら、俺は不安になった。

 だけど、たった一人、傍で彼女を支えられる俺が逃げ腰になってはいけないと思い直し、弱音は飲み込んだ。


11: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:22:22.68 ID:vxIFxQsM0
 普通なら中断させるほどのペースで、彼女はレッスンをこなした。

 この娘なら、トップを狙えるかもしれない。

 そう思えたからこそ、俺はすべてをかけて彼女を応援した。
以下略



12: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:23:40.62 ID:vxIFxQsM0
 このところ、出会った当初に見せてくれた、花のような笑顔を見ることがなくなっていた。

 嬉々として聞かせてくれた趣味の話も、ぱったりと途絶えていた。


以下略



13: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:26:01.46 ID:vxIFxQsM0
 自分の靴音だけがいやに響く路地を歩きながら、俺はさっきから同じことばかりを考え続けている。


 俺は彼女に、満足な指導やプロデュースを行えていたのか、ということ。

以下略



14: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:26:26.26 ID:vxIFxQsM0

 『私じゃきっと、プロデューサーさんの意には沿えないから』



15: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:29:38.60 ID:vxIFxQsM0
 彼女はたしかにあのとき、俺の意に沿えないと、そう言った。

 暫く愕然として、思わず足まで止まってしまう。


以下略



16: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 00:30:25.95 ID:vxIFxQsM0
 自分の脈拍が、急にうるさく聞こえてくる。

 時折顔を撫でるように吹く夜風が、背筋から急速に熱を奪う。


以下略



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