96: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:06:19.61 ID:vxIFxQsM0
卯月「……プロデューサーさんは」
卯月「やっぱり、変わってませんね」
もう彼女はアイドルではないし、もう俺は彼女の担当ではない。
97: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:07:14.26 ID:vxIFxQsM0
卯月「プロデューサーさんの電話番号も、消すべきだったんです」
両目の辺りをぐしぐしと擦りながら彼女は幼子のように話した。
98: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:07:45.09 ID:vxIFxQsM0
P「……ごめんな。お前をトップアイドルにしてやれなくて」
彼女は大げさにかぶりを振った。
卯月「プロデューサーさんは悪くないんです、無理をしたわたしが悪いんです」
99: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:08:38.18 ID:vxIFxQsM0
卯月「ねえ、プロデューサーさん」
P「うん?」
100: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:10:07.41 ID:vxIFxQsM0
卯月「アイドルしていたころの歌は、いまでも歌えますよ」
別れ際に、彼女がそう言った。
P「S(mile)ING! か」
101: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:12:33.49 ID:vxIFxQsM0
ひとひらの花弁が降り積もるようにして、それから、暫くの時間が流れた。
102: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:13:47.22 ID:vxIFxQsM0
ある日に、高峯のあを擁するうちのプロダクションは、とある発表を行った。
多くは語らず、ただ開催する旨とその日取りを告げた。
もはや、それだけでよかった。
103: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:14:20.26 ID:vxIFxQsM0
彼女はいままで以上に精力的に仕上げた。
一切の妥協を許さず、常にベストパフォーマンスを心がけた。
可能な限り俺も彼女の傍について、手助けをした。
104: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:15:25.49 ID:vxIFxQsM0
過去に類を見ないほどの過密なスケジュールに、流石の彼女も苦心しているようだった。
それでも彼女は、折れることもなく歌い続けた。
105: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/03/25(金) 04:15:58.73 ID:vxIFxQsM0
ライブをこなすごとに勢いを増しながら、いよいよ残すところ、あと東京の一公演にまで辿り着いた。
彼女は、心身ともに消耗が激しい状態だったが、逆にその状況を楽しんでいるようにも見えた。
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