153: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:48:19.40 ID:CcDOu7THo
□ ―― □ ―― □
『素晴らしかったです、文香さん』
154: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:48:45.69 ID:CcDOu7THo
『思ったよりも、大変な道のりでしたね』
「……はい。でも、Pさんが……居てくれましたから」
『僕の功績なんてたかが知れていますよ。ほかのプロデューサー方が手伝ってくださらなければ、今頃どうなっていたか』
155: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:49:12.01 ID:CcDOu7THo
『……僕は、果報者です。万里の道も苦じゃなかった』
この一年半、ずっと文香さんと共に歩んできた。エンジニアとしても、プロデューサーとしても、一人の男としても。あらゆる場面で彼女が隣にいてくれ、支えてくれた。
シンデレラガールズは急成長を遂げ、今や押しも押されもせぬ大プロダクションとなりつつある。在籍するアイドルのほぼ全員が開花し、あらゆるところで引っ張りだこなのだからそれも当然である。
156: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:49:44.07 ID:CcDOu7THo
「社長から伺ってますよ。なんでも企業ページや基幹システムを全部組まれたそうじゃありませんか。しかもソースが見やすいしデザインもされている。エンジニアとしてはそれだけでついていく気になるってもんです」
……僕は、本当に果報者だ。心からそう思う。
『僕は感謝しています。社長に、同僚に、部下に。そして何より、文香さんに。ずっと僕を助けてくれた。アイドルになってまで』
157: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:50:10.11 ID:CcDOu7THo
『文香さん』
「はい」
『家に帰ったら、読んでほしいものがあるんです』
158: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:50:36.76 ID:CcDOu7THo
僕と文香さんが出会う契機になったあのファンタジー小説。あれ以上のものは決して、今の自分には書けない。書く必要もない。だって――僕にとって、あれは王道ファンタジーの完成形なのだから。
だからファンタジーは書かなかった。きっと、いずれ挑戦することもあるだろう。けれど今じゃあない。
そんな時に、ふと考えたのが恋愛小説だった。理由は、とても単純だった。
159: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:51:05.01 ID:CcDOu7THo
『――ようやく、終わります。”二兎追い人”の旅路が。やっと捕まえることができました』
「……はい。ようやく、捕まえてもらえるのですね」
『待たせました、文香さん』
160: ◆m03zzdT6fs[saga]
2016/05/12(木) 02:54:34.55 ID:CcDOu7THo
今回の更新でこの作品は完結となります。
元は去年の初夏に仕事の多忙で投げ出してしまった作品でしたが、何とか仕上げることが出来てほっとしています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
次回作品については現状未定です。出来れば書きたいと思ってはいます。
161:名無しNIPPER[sage]
2016/05/12(木) 04:58:39.72 ID:W0KAIgHe0
社長:四十台手前ぐらい 人心を掌握する英傑
七人目の正直:三十代までは三年ほどで27歳ぐらい 社長にさえ楯突く気概のある正直者
凡人と第六感:大学の卒業後勤続七年で29歳ぐらい 非凡なる凡人
162:名無しNIPPER[sage]
2016/05/12(木) 06:38:43.55 ID:aLnvLkslo
待ってた甲斐があった面白かったよ乙
最後は人当たりの良い一人前な最初のプロデューサーか
というか"一"で完結……だよね?七人の侍方式でいくと
"零"は流石に無いか
163:名無しNIPPER[sage]
2016/05/12(木) 07:42:42.53 ID:xTF31zat0
おっつんおっつん
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