13: ◆yz988L0kIg[saga]
2016/04/17(日) 22:42:19.28 ID:jEsO6OsCO
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プロデューサーが帰ってくる金曜日、学校が終わると共に雪美は急ぎ気味に事務所へ向かった。
未だ雲が詰切っている空とは裏腹に、彼女の心は軽やかであった。
水たまりを猫のように飛び越え、事務所へと急ぐ。
階段を駆け上り、ドアをあける。
しかし、出迎えたのは黒いスーツの男ではなく緑の服を来た女性だった。
「雪美ちゃん……」
「……モバPは……?」
「それなんだけどね、仕事が長引いちゃってまだ帰ってきてないの」
「…………………そう……………」
まるで、太陽が実は大きな電球で急にスイッチが切られたかのように、彼女の顔が暗くなる。
無言のナイフが無限に突き刺さる、痛い沈黙。
たまらずちひろは、悲痛に叫ぶ。
「で、でもまた一週間とかじゃないから。 ね?」
「……………ありがとう……大丈夫……にゃー」
「あっちで……宿題……してくる……」
ナイフを投げたピエロは悲しくおどけて、舞台から退いた。
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