過去ログ - オッサン勇者と少女魔族が世界を旅する話
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32:名無しNIPPER[saga]
2016/04/25(月) 01:03:45.58 ID:OK3h9Lnco
魔王の行った治療はほんの僅かな時間でしかなかったが、その効果は絶大であった。
絶命寸前であったはずの肉体は、勇者が玉座の間に辿り着いたときよりも快癒しており、さらには古傷のほとんどが消え失せていた。
苦痛に満ちた勇者の表情は、いつの間にか安らかな寝顔に変わっていた。

『この程度でよかろう』
以下略



33:名無しNIPPER[saga]
2016/04/25(月) 01:04:36.79 ID:OK3h9Lnco
『起きなさい』

警告に近い物言いで、言い放つ。

「う……」
以下略



34:名無しNIPPER[saga]
2016/04/25(月) 01:06:37.27 ID:OK3h9Lnco
「なにをしやがったと訊いてんだ! 答えやがれ!」

『やかましいですね。なにを口にしているのか不明ですが、おそらく問うているのでしょう。
 しかし、お前が問うことは許していません。お前はこちらの問いにだけ答えていればよいのです』

以下略



35:名無しNIPPER[saga]
2016/04/25(月) 01:11:43.15 ID:OK3h9Lnco
(ダメだ。どこから攻めてもさっきの二の舞だ)

脳内で疑似戦闘を行い戦略を立てようとするが、先ほどの敗北を払拭できない。
幾度も薙ぎ倒され、蹂躙される自身が想像されてしまう。
動けないまま時は過ぎていく。警戒と殺気を濃く滲み出すことしかできなくなってしまっていた。
以下略



36:名無しNIPPER[saga]
2016/04/25(月) 01:16:47.43 ID:OK3h9Lnco
魔王はそのまま沈思黙考し、静寂が玉座の間を包み込んでしまっていた。
あまりの毒気のなさに、思わず勇者は構えを解いた。

「くそっ。どうなってやがる……」

以下略



37:名無しNIPPER[saga]
2016/04/25(月) 01:17:46.02 ID:OK3h9Lnco
****

宿屋に入った一組の男女は今後の行動計画を立てていた。
ベッドに腰掛け、互いに向かい合う。

以下略



38:名無しNIPPER[saga]
2016/04/25(月) 01:19:23.70 ID:OK3h9Lnco
「どうやったら人間の言葉を覚えて一年でここまで口が悪くなるかね」

「さあ。それは言葉を教えてくださった方に苦情を申し立ててください」

「あァ? 俺はお前みたいに口は悪かねェ」
以下略



39:名無しNIPPER[saga]
2016/04/25(月) 01:20:20.50 ID:OK3h9Lnco
しかし、側近は人間の王に会うという目的をいきなり断たれたことを思い出したのか、些か不機嫌になる。

「ニンゲンの王程度、すぐに会うことができると思っていましたが、うまくいかないものですね。
 これでは王都まで出向いた意味がありません。まだ砂漠の街で特産品を見て回った方が有意義です。
 それならば、明日にでも王都は発ちましょう」
以下略



40:名無しNIPPER[saga]
2016/04/25(月) 01:20:50.74 ID:OK3h9Lnco
といったところで今回は終わり


41:名無しNIPPER[sage]
2016/04/25(月) 01:55:44.17 ID:PbxKzUeTO
おつ


42:名無しNIPPER[sage]
2016/04/25(月) 02:54:57.67 ID:fQ3SL31YO



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