過去ログ - オッサン勇者と少女魔族が世界を旅する話
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5:名無しNIPPER[saga]
2016/04/18(月) 01:11:49.51 ID:ZyCwTMFeo
「わざわざヒトの言葉を操る、か。魔族にしちゃァ知能が高いみてェだな」

「ここまで辿り着いたニンゲンへの褒美だ。ニンゲンが魔族の言語を理解できるとは思うておらぬのでな」

魔王は玉座に肩肘をつき不敵な笑みを浮かべる。

「問おう。なぜ貴様はここへ来た――」

魔王の問いが終わるか終らないか、勇者は床石を蹴り魔王へと驀進する。
音を置き去りにする加速と体運びに予備動作はない。動きを予測することは不可能であり完全に不意を突くことに成功した、はずだった。
しかし、次の瞬間。勇者は城内の内壁に強かに背を打ち付けられ、そのまま前のめりに倒れ込んた。

(なにが、起こった……)

否、何が起こったかはわかっていた。
ただ、それを認めたくはなかった。
一閃で仕留めるつもりで上段に振りかぶった剣を魔王に向けて振り下ろす直前、傍らにいたはずの側近が突如眼前に立ちはだかっていた。
そして二つ指を貫手のように立て、易々と勇者の剣を受け止めた後、他方の掌で勇者の身体を弾き飛ばした。
軽く添えられただけのように思えた側近の掌からは、臓腑を深く抉るような重い衝撃が勇者の身体を突き抜け、一撃で戦闘不能に近い損傷を与えられていた。

『我が主よ。まだ、意識があるようです。息の根を止めても?』

『よい。命を摘む必要もあるまい』

『は』



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