過去ログ - 幸子「ドリーム・ステアウェイ」 みく「イントゥ・ヘル」
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酉付ける
◆.nnFO3p0tfz9
[saga]
2016/04/24(日) 00:37:14.97 ID:1rz28tPbO
東郷 あい。
何故か、その名を、幸子は知っていた。
「ありがとう、私のダンスパートナー」
少しキザにも思える台詞を吐いて、あいは幸子に流し目を送る。
意識しているようには見えない。そういう振る舞いが、体に染み付いているような、自然な口振りだった。
それから――ナイフを掴む左手はそのまま、右手を城ヶ崎美嘉の手に触れさせ、親指をつかみ、
「これは預かろう、君のような子が持つには物騒で、似合わない」
相手を傷付けないよう≠ノ、彼女が持つ凶器の一つを取り上げた。
奇妙な事に、その間、美嘉は抵抗らしき抵抗をしなかった。
優しく指を開かされ、手の中から凶器を奪われて、その刃が無造作にへし折られてようやく――
「――――――っ、あぁっ!?」
何が起こったかを認識し、飛び退り、身構える。
まだ美嘉は、もう片手に鞭を持っている――猛獣さえも打ち据える、リーチと速度に優れた武器だ。
然し、それを振るおうとするのではなく、自分の身を守る事に専念し、距離を引き離した。
「ほう……残響≠ニは決して戦わない、自分はあくまで候補生だけを……見た目に似合わず、戦い慣れているようだね」
「……っ、精神干渉系、ほんっと嫌い!」
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