過去ログ - モバP「楓さんと同じ高校だったら」
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13:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:04:01.52 ID:d30ie544O
高垣さんは、俺よりも早く教室を出た。即ち、彼女はもう屋上にいるだろう。
あまり待たせてはいけないと、階段を一段飛ばしで駆け上がる。
屋上へと繋がるドアを開けると、果たしてそこには高垣さん一人だけだった。
彼女は、暑そうに片腕をおでこの前に持ってきて、腕を笠のようにして立っていた。ここは日光が眩しい。彼女は、肌の白さも相俟って病的に綺麗であった。
こんな風に、たまに高垣さんに見惚れてしまうことがある。さらりと風が頬を撫ぜ、漸く俺は動きだした。
14:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:04:41.73 ID:d30ie544O
「はい」
彼女は顔を伏せた。
「俺、高垣さんに話があってさ」
15:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:05:22.06 ID:d30ie544O
「それで俺、彼女が欲しくてさ。欲しくて、いや、けど誰でもいいわけじゃなくて」
「はい」
「だからさ、嫌だったらいいんだけど。できれば、高垣さん、俺と」
16:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:05:55.59 ID:d30ie544O
「俺と、どうすれば彼女が出来るか考えてほしい!」
「はい!……はい?」
納得がいかない、というより理解が追いつかないといった顔で、彼女は首を傾げた。
17:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:06:36.20 ID:d30ie544O
「ふつー、ここまできたら、アレだって思います。期待します」
みてすぐわかるレベルで、高垣さんのテンションはだだ下がりであった。この言葉を聞く限り、高垣さんは「アレ」とやらを期待していたようだ。彼女は、見返りを求めるタイプではない。だとしたら、いったい何がほしいのか……。ダメださっぱりわからん。こういう時は、素直に聞くのが一番いい。
「その、アレってなに?」
18:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:07:14.18 ID:d30ie544O
「言いたい事は沢山ありますが、まず3つほど」
「え、いや、アレって「黙っててください」はい」
高垣さん、怖いよう。こんな事普段しないのに。いつもの駄洒落大好き16歳児を返して!
19:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:07:50.30 ID:d30ie544O
「そして最後、三つ目です」
薬指を立てる。
「藻場くんの気になってるアレとは」
20:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:08:41.37 ID:d30ie544O
彼女は、小さく繰り言のように言った。
世界から音が消えた。
は、え?告白?酷薄ではなく?いやだって酷薄だったら意味が通じない。告白、告白。告白っていうのはあの告白か?罪を告解するほうじゃなくて、あの、男女間でのみ起こり得るアレ。
いやいやいやいや、ありえない。だって高垣さんだぞ。高嶺の花にも程がある。彼女が、俺の告白を期待してたって、え?本当に?嘘だ!いや本当であった方がいいけど嘘だ!
21:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:09:16.58 ID:d30ie544O
「藻場くんが、私と仲良くしてくれて嬉しかったんです。それで、いつの間にか私は」
好きになっていました。
そう言った。
22:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:09:52.22 ID:d30ie544O
「俺も、好きだと思う。いや、好きだ。さっきまで、彼女が欲しいとかいってたから、あれかもしれないけど、その」
「わかってますよ」
高垣さんは、そう言って一歩、此方にきた。
23:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 23:10:19.71 ID:d30ie544O
モバP「って夢を見たんです」
ちひろ「いいから仕事しろや」
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