2:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:09:03.30 ID:LmAERFOUo
常務室の鍵を閉め、地下駐車場へ向かう。
「ご自宅でよろしいですか?」
待っていた運転手の問いに美城常務は頷いた。
3:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:09:50.66 ID:LmAERFOUo
「今帰った」
うさ!
きゅらきゅらとキャタピラ音を響かせて、ロボが姿を見せた。
4:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:10:20.69 ID:LmAERFOUo
「そうか、それは楽しみだ。……いや、辛味は嫌いではない」
うさ
5:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:10:59.00 ID:LmAERFOUo
ファンシーな玩具のロボットだ、と最初の印象。
そして次に思ったのは、向こうの誰がこんな悪戯をしたのか。
「君は少し固すぎるよ。肩の力を抜いて笑ってごらん」
6:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:11:29.14 ID:LmAERFOUo
テクノロジーに関しては日本がそれほど劣っているとも思わないが、流石にアメリカの底力は違うな、と彼女は感心した。
玩具にすらこれほどの技術を惜しみなくつぎ込んでいるのだ。やはりエンターテインメントの本場は侮れない。顧客を喜ばせることに特化しきっている。
「では、そのままこちらまで来てくれ。ああ、キャタピラ音は抑えてもらえると助かる。日本の住宅事情はそちらほど恵まれてはいないからな」
7:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:12:01.29 ID:LmAERFOUo
ふと、心中に悪戯心が湧いた。
(英語)『右手を上げなさい』
(仏語)『左手を上げなさい』
8:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:12:51.80 ID:LmAERFOUo
そしてしばらくの間、彼女はロボのことを忘れていた。
いや、忘れていたというよりも、ロボに割く時間がなかったのだ。
思うように進まない改革、プロジェクト。後に思えば急すぎた常務のやり方には周囲への求心力はなかった。
社員レベルは別として、肝心のアイドルたちの反応は芳しくなかったのだ。
9:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:13:50.70 ID:LmAERFOUo
「こんな美人じゃあアイドルも霞むんじゃないかい」
貴様たちの毒でアイドルを霞ませないためにここにいる。そう怒鳴りつけたい気を抑え、いつの間にか貼りつけるようになっていた笑いで答えを返した。
10:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:14:28.48 ID:LmAERFOUo
われながらひどい声だと思いながら、声を出し続ける。
くだらない哀れさとみっともなさが妙に心地よく、三分ほど声を出し続けてみた。
うーさー
11:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:15:19.14 ID:LmAERFOUo
うさ!
その答えが「イエス」だと、彼女は確信した。
だとしても、
12:名無しNIPPER[saga]
2016/05/09(月) 23:16:07.40 ID:LmAERFOUo
「まさか、君なのか」
うさ!
71Res/39.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。