過去ログ - ココア「あの日の気持ちが雨に溶けるまで」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/29(日) 23:18:13.68 ID:g+qXs6Au0
梅雨の時期、私がこの町に来て1年と少し経った。相変わらず寝坊はなおらないけど、ここでの生活も慣れてきて毎日がとても楽しい。それでも雨の日は、あの日を思い出す。
家を出てこの町に来る前、雨が強く電車が止まり1日だけ違う町にある親戚の家に泊まらせてもらった。今いる町と景観は似てるけど、もっとずっと建物に色味がなく、灰色の町だった。夕刻、雨の中親戚の家まで走り、ようやくたどり着いた。
以下略
3
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/29(日) 23:19:44.22 ID:g+qXs6Au0
ココア(え…!?こんな雨の日に!?)
立ち上がった瞬間に女の子の姿は消えていた。
ココア(あ、あれ?おかしいな?疲れてるのかな)
以下略
4
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/29(日) 23:21:30.12 ID:g+qXs6Au0
次の日の朝、雨は止み、雲が空を覆っている。まだ8時だというのに随分暗い。
おばさん「ココアちゃん〜朝ごはんできたわよ〜」
以下略
5
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/29(日) 23:22:58.84 ID:g+qXs6Au0
ココア「ねぇねぇ、こんなところで何してるの?ブランコ濡れてるし、雨も降りそうだよ?お母さんは?お家はどこ?」
少し質問攻めしすぎちゃったかな。あぶない人みたい。
以下略
6
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/29(日) 23:24:24.50 ID:g+qXs6Au0
か細い声だった。なんだろう。チノちゃんよりずっと声量がないにもかかわらず妙に響く声だった。女の子は水色のワンピースのポケットから糸を取り出した。青い、糸だった。
ココア「あやとり?よしやろう!あ!私ココア!ココアおねえちゃんと呼んでね!あなたは?」
以下略
7
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/29(日) 23:25:45.89 ID:g+qXs6Au0
ハナ「形は覚えた?もう一周やってみようか」
ココア「ヒィーー!ちょっと整理する時間をください!もう頭パンクしちゃうよ〜!!」
以下略
8
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/30(月) 00:08:56.92 ID:xPHUiqy50
ハナ「お母さんを待ってるの」
ココア「お母さん?お仕事?」
以下略
9
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/30(月) 00:10:09.85 ID:xPHUiqy50
ハナ「あっ…」
ココア「だいじょーぶ!糸は結べば元通り、だよ!」
以下略
10
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/30(月) 00:11:22.68 ID:xPHUiqy50
ハナ「冗談だよ」
ココア「え…」
以下略
11
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/30(月) 00:12:11.80 ID:xPHUiqy50
走る列車の中、私は、自分という人間が臆病者に思えてならなかった。手を差し伸べるような言葉を放ったくせに何も解決できず、ただ傘を差し出しただけの私に、あの子から逃げた私に、どうしようもなく嫌な気分になった。
(ココアおねえちゃんって、呼んでもらえなかったな…)
以下略
12
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2016/05/30(月) 00:13:07.03 ID:xPHUiqy50
今でも雨の日は思い出す。あの日の出来事を。鈴によく似た声を。
「ココアさんココアさん、ボーッとしてないで仕事してください」
以下略
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