152:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:43:46.98 ID:49W9hqJ1o
蘭子「旅行に行くの?」
楓「旅行ではありません。もっと遠い、どこかへ行くんです」
蘭子「いつ行くの? どれくらいかかるの?」
153:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:44:34.06 ID:49W9hqJ1o
楓「……蘭子、あなたはとても良い子です。だから、嫌だなんて言わないで……ね?」
蘭子「…………」
蘭子は首を横に振って抵抗した。
154:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:46:13.83 ID:49W9hqJ1o
楓はこれまでに十分すぎるほど一人の女性を愛し、一人の人形を愛してきた。
そして、それが10年という時の実を結び、役割を終えたことを悟ったのである。
楓は、血の繋がりのない3人の間に、人間とドールの新しい家族の形を、これから世界に広がっていく新しい人類と人形の社会の姿を、遺伝子として残した。
飛鳥が自分の悲しみと孤独の、死の記憶を世界に残そうとしたように。
155:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:46:41.10 ID:49W9hqJ1o
【――epilogue】
156:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:47:08.18 ID:49W9hqJ1o
――そして、月日は流れました。
157:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:47:53.03 ID:49W9hqJ1o
……あなたが居なくなってしばらく、私の心にあったのは、からっぽの空洞だけでした。
いっぱい泣きました。
あなたが居ない寂しさに耐えられないと思った事もありました。
それでも、私が挫けずに生きてこられたのは、あなたがたくさん愛してくれたこの子が、今日まで私の傍にいてくれたからです。
158:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:48:20.29 ID:49W9hqJ1o
……楓さん。
159:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:48:54.10 ID:49W9hqJ1o
◇ ◇ ◇
卯月「……あっ、来ました!」
160:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:49:21.79 ID:49W9hqJ1o
武内「……今年の新人は元気がありますね」
美波「武内さんはあの2人の事、知ってます?」
武内「ええ、卯月さんという方は確か、渋谷技術部長のところのドールだと……しかしもう一人の方はあいにく……」
161:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:50:00.01 ID:49W9hqJ1o
蘭子「……今年のドール枠は、私と卯月さんの2人だけなんですね」
卯月「というか、新入社員が私たちしか居ないんですけどね」
162:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:50:26.49 ID:49W9hqJ1o
◇ ◇ ◇
蘭子「ただいまー……」
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