20:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 03:55:01.87 ID:6D4QUdRpo
 ……日が暮れてしばらく、楓が帰宅して真っ先に目撃したのは、床に散らかった数々の衣服だった。 
  
 楓「ただいま……美優さん?」 
  
 奥の部屋から「おかえりなさい」という返事。 
21:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 03:56:18.76 ID:6D4QUdRpo
 美優「あとは髪型がもうちょっと……あ! あと靴も揃えないと……」 
  
 再び化粧台の前に座らせ、美優は1人でブツブツと呟きながら蘭子の銀髪を櫛で梳いている。 
  
 楓「美優さん」 
22:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 03:57:02.92 ID:6D4QUdRpo
 夜遅くまで営業している食料品店へ二人で歩いて行き、お弁当を買って帰ってくると、部屋の明かりを点けた楓が驚いたように呟いた。 
  
 楓「蘭子が動いてる」 
  
 美優「えっ」 
23:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 03:57:38.07 ID:6D4QUdRpo
 遅い夕飯である。 
  
 楓「……蘭子にお化粧までしたんですか?」 
  
 美優「はい……もしかして、駄目だった……?」 
24:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 03:58:12.90 ID:6D4QUdRpo
 楓「それから、この大量の洋服はなんですか?もしかして買ったわけじゃないですよね」 
  
 美優「そんなお金ありませんよ。これは買い手がつかなくて持て余してる会社の商品とか、安いところから探して仕入れた物とかです」 
  
 楓「仕入れって、結局お金使ってるじゃない」 
25:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 03:58:55.64 ID:6D4QUdRpo
 その夜、二人は改めてドールについて調べ、そこで初めて知った事がいくつかあった。 
  
 まず登録したアカウントには所有ドールの情報が紐付けされていて、PC、あるいはIDOLからいつでもドールの詳細な状態をリアルタイムで監視できるソフトウェアがある。 
 その他さまざまなオプション機能をアカウント経由で付与することで、例えば自我のまだ鮮明でない初期状態のドールをある程度コントロールできたりする。 
  
26:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 04:00:01.69 ID:6D4QUdRpo
 よく考えてみれば、先ほど蘭子が1人で勝手に動いた時も、場合によってはいきなり怪我をしたり頭をぶったりしていたかもしれないのだ。 
 美優は空恐ろしくなって思わず身震いした。 
  
 美優「そう言えば……」 
  
27:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 04:00:44.87 ID:6D4QUdRpo
 楓「ダメ。ダメです」 
  
 突然そう言ってIDOLを投げ出した。 
  
 美優「どうしたんですか?」 
28:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 04:01:47.25 ID:6D4QUdRpo
 一旦ここまで 
29:名無しNIPPER
2016/05/31(火) 04:23:21.64 ID:GOnloIh10
 なんか凄いと思った(こなみ 
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