過去ログ - 「二宮飛鳥は孤独を忘れてしまった」
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3: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/04(土) 22:48:08.52 ID://1N5xrh0
ポケットの中の携帯電話が震える。
見れば、メールが一件。プロデューサーからだ。
『さっき以上に雨が酷くなってる上に、電車が止まったって聞いたが、そっちは大丈夫か?』
短く綴られた文章は、それでいて今のボクが拠り所にするには十分で。
『ああ、運の悪いことに引っかかってしまった。今は◯◯駅の待合室で立ち往生さ』
そそくさと返信のメールを打って送る。
数分の間落ち着きなく携帯を弄り回していると、手元に振動を感じてすぐにメールをチェックした。
『そうか、わかった。雨の中歩いて帰ろうとしてなかっただけ安心したよ』
却下はしたが脳裏をよぎっていた選択肢を指摘され、図星を指されたような気分になる。
ばつが悪くなって目をそらす。その相手すらいないのに、と気づいてまた苦笑。
さっきの苦笑より、心なしか暖かい。
『流石にそんな無理はしないよ。ところで、ボク以外のみんなはどうしているんだい?』
必要な連絡そのものは終わったものの、このメールを途切れさせてしまうのが勿体なくて、話題を変えて返信する。
しかし、待てども待てども、手元にある機械が再びその体を揺らすことはなかった。
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