過去ログ - 輿水幸子落下中
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6: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:11:03.91 ID:wyDFH4YB0
会話ではなくお話。

一方的で投げやりで意思の疎通はできていなくても、幸子は俺にだけは不満や苦しみを話してくれる。

幸子のお話をしてくれる。
以下略



7: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:13:37.64 ID:wyDFH4YB0
その後も時間を作っては、幸子に会いにきている。

他のアイドルには病気だと伝えているけれど、おそらくバレているだろう。

それでも俺は一人で通い続けた。
以下略



8: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:17:45.89 ID:wyDFH4YB0
「幸子、来たよ」

返事はなかった。

「……幸子?」
以下略



9: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:19:30.09 ID:wyDFH4YB0
しかしどうして今日はスマホなのだろう。

これまではずっとドア越しに話をしていたのに。

もしかして部屋の外にいるのだろうか。
以下略



10: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:43:01.01 ID:wyDFH4YB0
「……醜いって、なにを言ってるんだ。幸子の声は」

『ごめんなさい』

「ごめんなさいって、そういうことを聞いてるんじゃ」
以下略



11: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:44:22.09 ID:wyDFH4YB0
どっ、と嫌な汗が流れる。

何度も話を聞いていれば。幸子の中にある嫌なものを全部吐き出させてやれば、幸子はよくなると思っていた。

よくはならなくとも、その場限りは楽になると思っていた。
以下略



12: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:45:50.48 ID:wyDFH4YB0
絶句する俺に、幸子はだめ押しのように続けた。

『ごめんなさい』

『ボクはボクの声が恥ずかしい』
以下略



13: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:48:01.31 ID:wyDFH4YB0
その先を考えそうになって、否定するように声を出した。

「なあ、幸子。もうやめよう」

絞り出した声は震えていた。
以下略



14: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:51:33.73 ID:wyDFH4YB0
スマホは鳴り続けた。

『本当は知っているんです。みなさんが優しいことも、ボクを笑ったりしない人達だということも』

「……」
以下略



15: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2016/06/07(火) 22:57:50.25 ID:wyDFH4YB0
互いに無言の時間が流れていった。

今日はきっともう何もできない。

ふと、自分の左手にかかる重さに気付いた。
以下略



16:名無しNIPPER[sage]
2016/06/07(火) 23:01:55.15 ID:YRRpEd9zo
期待


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