過去ログ - 藤原肇「見つめて、すうっと、ぼけていく」
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1: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:25:40.50 ID:PvEdMtuwo
アイドルマスターシンデレラガールズ藤原肇のss

地の文あり。

誕生日おめでとうございます。

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2: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:26:18.52 ID:PvEdMtuwo

事務所から私の住む寮までの帰り道。

ふと立ち寄った公園から見える夕陽がとても綺麗で、思わずカメラを取り出します。

以下略



3: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:27:05.38 ID:PvEdMtuwo

「う〜ん。やっぱりピントがボケちゃうなぁ……」

三ヶ月ほど前、ノルウェーでオーロラに出会ったとき、私の持っていた二つ折りの携帯電話のカメラでは全然綺麗に写らなくて、「この感動は写せないものだから、心に焼き付けるべきなんだ」なんてこと考えていました。


4: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:28:57.96 ID:PvEdMtuwo

「カメラのことなら私にお任せください」

「良いですね! わたしもカメラについてお勉強したいです!」

以下略



5: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:30:48.45 ID:PvEdMtuwo

「おや? 肇ちゃんだ! こんにちはー」 

ふと顔を上げると、棒アイスをくわえながら周子さんが目の前で立っていました。

以下略



6: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:32:10.25 ID:PvEdMtuwo

「ああこれねー。スーパーマクロの設定になってるからだよ」

「マクロ……? カメラ。詳しいんですね」

以下略



7: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:33:33.41 ID:PvEdMtuwo

「周子さんは人の心を読めるんですか?」

「あたしは妖狐だからねー」

以下略



8: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:34:14.26 ID:PvEdMtuwo

寮に戻ると私宛てに封筒が送られて来ました。

贈り主を見てみると実家のお母さんからで、中身を確認すると可愛らしいカエルの絵が描かれた便箋が入っていました。

以下略



9: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:36:16.28 ID:PvEdMtuwo

そして、追伸の欄に十年前の貴女から手紙が届いたのでそちらに送りますと書いてありました。

封筒の中をもう一度覗くともう一枚封筒が入っていました。
十年前……思い出しました。
以下略



10: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:37:51.11 ID:PvEdMtuwo

ゆっくりと封を開け、ふぅ。と息を吐き、そこに書いてある文字を読んでいきます。

便箋の真ん中にただ、一言だけ。

以下略



11: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:38:39.56 ID:PvEdMtuwo

陶芸とアイドルの二つだけではなく、故郷も家族も昔から大好きでした。

歳をとるにつれ好きなものがどんどん増えていきました。

以下略



12: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:39:19.48 ID:PvEdMtuwo

きっとこれからたくさん、自分が想像できなかった未来へ進むことが多くなると思います。

たくさん歌って。

以下略



13: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:40:11.29 ID:PvEdMtuwo

開けた窓から外を眺めれば、水分をたっぷり含んだ大気と薄く広がる雲のお陰で月の明かりが淡くふんわりと、ぼけて見えます。

「朧月夜は星を見るのには向かない。その代わりに花や草木、いつも自分が見ている景色がとても綺麗だということに気がつかせてくれる」

以下略



14: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:41:09.24 ID:PvEdMtuwo

その教えてもらった事をプロデューサーさんにもそのまま話してみるといつだって、肇は物知りだなと頭を撫でてくれます。

子供じゃないんですからなんてぷくっと頬を膨らませても今度はその頬を指でつついてカラカラと笑います。

以下略



15: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:43:13.57 ID:PvEdMtuwo
※ ※ ※ 

「こんにちは!」

事務所のドアを開け、元気良く挨拶。
以下略



16: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:44:11.25 ID:PvEdMtuwo
突然プロデューサーさんに、肇。と名前を呼ばれながらちょいちょいと手招きをされたので、なんだろうと思いながらデスクへと足を運びます。

どうしました? と問い掛けますとプロデューサーさんは引き出しを開け、中から手の平に乗るくらいの立方体の箱を取り出しました。


以下略



17: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:45:18.25 ID:PvEdMtuwo

「……開けてみても良いですか?」

「……勿論」

以下略



18: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:45:53.68 ID:PvEdMtuwo

そんな私たちのやり取りを眺めながらちひろさんがくすくす笑っているのが見えます。

どうやら私を助けてくれるつもりはなさそうです。

以下略



19: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:46:53.10 ID:PvEdMtuwo

シューズを履き替え、柔軟を終える。

レッスンを見てくださいなんてそんなのわがままの内に入らないよ。と笑いながら快く引き受けてくれたプロデューサーさんを鏡越しに見ながら、トレーナーさんに教えられた通り、振り付けをこなしてみせます。

以下略



20: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:47:37.07 ID:PvEdMtuwo

なんだか歌を歌いたい気分でした。

気持ちをリズムに乗せるように。

以下略



21: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2016/06/15(水) 01:48:16.61 ID:PvEdMtuwo

※ ※ ※

「なんだか……」

以下略



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