過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2016/12/24(土) 12:26:14.42 ID:S6YpyFGu0
例の赤い集団はこの時期、すべての人に平等に資源を惜しみなく渡していたのだそうだ。それは貴族であろうと貧困街の者たちであろうと平等に、である。つまり赤服の彼らは良いことをしていたのだという。だからマークスは思ったのだ。1年の終わり、そういった催しがあってもよいではないかと。その結果、この催しが企画され実行されるに至った。
そしてマークスは赤が似合うだろう人物を考え、その人物としてルーナが思い浮かんだのだという。そう、完全に巻き込まれただけであった。
白夜から取り寄せた薄い布生地のおかげで生足は防げているものの、この格好は何とも言えないものがあった。多くの男性たちはマークス王の趣味に涙を流していたが、女性たちからの視線はいささか冷たいものである。しかもその冷たい視線は一緒に仕事をする男たちに向けられていることから、マークス王の狡猾さが伺えた。
「……はぁ」
もう始まってしまったからにはしょうがないと思いながら、ルーナは個人的に持ってきた箱に手を伸ばして開ける。
中身を確認して、またため息を漏らしてそれを閉じると顔を上げた。時間的に間に合うかどうかわからないこともあって、その焦りが心の中で猛吹雪になっている。
「仕事終わったら、早く完成させないと……」
「何を完成させるの?」
突然聞こえた声にルーナは驚いて振り返った。
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