過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga sage]
2016/12/24(土) 23:10:18.16 ID:S6YpyFGu0
今さっきの話、私が誕生日を知らなかったことであの子が得をするという意味だとは思うけど、一体何の得をするのでしょうか?
「……わかりません。そもそも、知らなかったことって結構失礼なことですよね……」
それなりに交友がある人が自身の誕生日を覚えていなかったらと考えると、とても悲しいとは思う。なにせ、少しは期待したいものだと思うから、小さくてもいいからお祝いをしてもらいたいと思うのが、誕生日というものだろう。
「うーん、まったくわかりません」
紅茶をもう一口、口の中に広がる味を確認しながら、再び考える。
しかし、考えて考えてもまったく答えは出てこない。私自身が誕生日というものを知らない所為もしれなかったけど。
ただ――
「確かにすごく嬉しそうでしたね……」
記憶に思い出せる、今日のことを告げてきたあの子はとても子供のようにうれしそうな顔をしていた気がする。
もう一口紅茶を啜ったところで、結構な時間が経っていることに気が付いて、私は腰を上げた。もう紅茶も空っぽになってしまって、何か問題でも起きたのではないかと来賓室から外に出る。
あの子の部屋は二階の奥だったと廊下を進んでいく、一度角を曲がった突き当りにある部屋がその部屋だった。だから角を曲がってドアの前で待機するメイド数名を見て、どうやら何かあったようだと理解する。
私の登場にメイドの方々は照らし合わすように互いにアイコンタクトを取る。そして私に状況を話し始めた。
それに呆れて息が漏れた。本当の手筈なら、来賓室にあの子がやってきて始まることになっていたけど、このままメイドの方々の手を煩わせるのもあれだと思うと、すぐに口が動いた。
「わかりました。あとは私に任せてください」
「いいんですか?」
「はい、それに、今日は元々そういう日ですから。皆さんにも担当されていることがあると思いますし……」
そう私は告げる。告げたけど、一応私はお客様的な立場なわけで、すぐに了承するとは――
「ではリリス様、あとはお願いいたします」
思えなかったのに、すぐに私の提案を受け入れてそそくさと去って行ってしまう。これは信頼されていると取ることにして、私は扉をノックした。
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