過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2016/12/24(土) 12:38:28.65 ID:S6YpyFGu0
「ぶー、ルーナ、やっぱりおかしいの」
「そんなこと……」
「だってルーナ、ピエリの話真面目に聞いてないの。何か考え事してるの……。何か困ってるなら話をしてほしいのよ。ピエリ、ルーナのお話なら聞いてあげられるの」
ピエリが右腕に絡みついて上目遣いに聞いてくる。どこでそういうのを覚えるのかわからないけど、同性相手に使うものじゃないとルーナは内心笑った。
以下略
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◆P2J2qxwRPm2A
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2016/12/24(土) 12:39:30.05 ID:S6YpyFGu0
ルーナは知っているから、親は誰しも子供に死んでもらいたくなどないのだと。少なくとも、ピエリはその中に入っているのだと。一緒にお出かけして服を買って、綺麗になる方法を色々と考えて、そして気づけばルーナとピエリの距離はこれほどに近くなっていた。
だから、その上目遣いの視線も含めてピエリに負けてしまったのかもしれない。ルーナの足は止まってしまった。
「……ねぇ、ピエリ」
以下略
964
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◆P2J2qxwRPm2A
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2016/12/24(土) 12:40:55.71 ID:S6YpyFGu0
「……ルーナ、どこかに行っちゃうの?」
「うん。多分……。ちがうわ、絶対にどこかに行っちゃう。それも凄く遠いところに」
一度希望的なことを言おうとした。多分とか、もしもの話とか。冗談っぽくしようとして、でもそういう茶化しはしたくなかった。もう決まっている事、誤魔化すにはピエリとの絆は強すぎたから。それがほつれてしまうかもしれない。
告げてからそう考え、怯えて顔を下ろすと真剣なピエリがそこにいた。子供っぽいその顔は、今は真摯に向き合う瞳を携えている。
以下略
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2016/12/24(土) 12:43:28.79 ID:S6YpyFGu0
「抱きしめてるからわかるの。お胸の音もちゃんと聞こえる。ルーナの匂いもする、ちゃんと目の前にいるのに悲しむことなんてできないの」
「でも、いつかいなくなっちゃうって言ってるの、わからないの?」
「ピエリ、ルーナに会ってお母さんのこと色々思い出せたの。お母さんは、ピエリの中にいてくれてるの。でも、それはちゃんとピエリと一緒にいてくれたからなの。いつかルーナがどこかに行っちゃうのは寂しいの。本当はね泣きたいの。でもそしたらルーナ、大泣きしちゃうの」
「し、しないわよ!!!」
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2016/12/24(土) 12:45:13.62 ID:S6YpyFGu0
こんなの反則だ。
あたし、すごくかっこ悪いじゃないの。
思ったことを頭にのせても、ピエリに本当の意味で慰められてしまったことは違いなくて、その無垢な笑顔をもう一度見るために何度も目を拭った。
「ルーナ、目が真っ赤かなの」
以下略
967
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2016/12/24(土) 12:47:07.72 ID:S6YpyFGu0
足の速さなら負ける気はなかった。
みるみる距離は狭まっていく。あと数歩というところでピエリの方がバテ始め、その肩に手が触れた。
「うーーっ、掴まっちゃったの」
「ええ、捕まえたわよ。それ!!!」
以下略
968
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2016/12/24(土) 12:49:39.28 ID:S6YpyFGu0
「なんだか恋人同士みたいなの」
「恋人ねぇ……。正直、相手が子供っぽいわ……
「ぶーっ、ルーナの方が子供っぽいの」
「ピエリに言われたくないんだけど!?」
以下略
969
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2016/12/24(土) 12:56:19.62 ID:S6YpyFGu0
午前中はここまで
ピエリ、誕生日おめでとう!
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga sage]
2016/12/24(土) 22:21:42.29 ID:S6YpyFGu0
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
久々に早く起きました。
時折の休みに主人が帰ってくるこの場所に未だに住んでいる私が、こんなに朝早く起きるのは久しぶりの事で、こうして目を覚ませられるものなんだなと思った。
寝返りで乱れた髪を櫛で梳かし着馴れた服ではなく、今日のために準備してもらったディアンドルに袖を通す。
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971
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◆P2J2qxwRPm2A
[saga sage]
2016/12/24(土) 23:05:14.06 ID:S6YpyFGu0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その子は貴族のお嬢様で、大きな屋敷を持っている。その屋敷も今日だけは騒がしく、多くの装飾が施されていていつもとはまるで違う雰囲気を醸し出していた。
馬を引き連れて私が至ると、門の前で待機している知り合いのメイドさんと目が合う。合ったと共にすぐさま深々とお辞儀されたので少しだけ戸惑った。いつもなら軽い会釈くらいなのだが、今日に限って来賓にする深々としたものだからだ。
以下略
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