過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
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982: ◆P2J2qxwRPm2A[saga sage]
2016/12/25(日) 00:00:51.52 ID:VNmWVmvk0
「リリス、温かくなったの?」
「はい、とっても。あ、尻尾……んっ、くすぐったいですよ」
「えへへ、リリスの尻尾足で捕まえちゃったの」

 ピエリさんの足が私の尾鰭を絡めとる。くすぐったいのに暖かて、その所為で私の眠気が急速に力を増し始めていた。

「んっ、……ピエリさん。私、もう、眠くて……」
「そうなの? まだまだ夜はこれからなのよ?」
「ごめんなさい……でも、今日はあと少ししかないから……」
「ぶー、少しはサービスしてほしいのよ」
「今日だけって約束じゃないですか……。それに、ピエリさんの抱き枕になるのが私の最後の仕事だと思ったんですけど……なにか、私にしてほしい事、まだありますか?」

 寝ぼけ眼に私は聞く。ピエリさんの胸の感触とか、股に挟まれた尾鰭に感じる温かみとか、色々と男性だったら眠気を吹き飛びそうなものばかりだけど、実は何度も抱き枕代わりにされていたこともあって、私には態勢がついてしまっていた。
 だから、もう眠気に抗うことが難しくなっている。でも、ピエリさんがあと数分以内にしてもらいたいことがあったら、それくらいならしてあげられるかなって思った。
 それにピエリさんは少しだけ、少しだけ考えて。こんなことを言ってきた。

「わかったの、それじゃリリス。ピエリよりさきに眠っちゃうの」
「……それでいいんですか?」
「そうなの。それだけでいいのよ。今日のリリスはピエリのメイドさんなの、だからピエリの命令守らないとだめなのよ」

 それは多分、疲れ果てている私を思っての事かもしれなかった。なんだか、最後の最後で気を使わせてしまった気がして、少しだけ申し訳ない気持ちになった。

「大丈夫なの、そんな悲しい顔しないでほしいの。ピエリがご褒美あげてるの、だから素直に受け取ってほいいのよ」
「ふふっ、すごいご褒美ですね。それに命令ならしかたないです……」

 一瞬だけ、部屋にある時計に目を向ける。もう針は残りわずかでしかない。それが終わったら、今日の一日メイドは終わり、なら最後の命令に従って私は役目を終えよう。

「ピエリさん……おやすみなさい……」
「リリス、お休みなの……」

 頭を優しく撫でる感触を最後に、私は暖かい夢の中に落ちていった。



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