過去ログ - 吹雪「はやく辞めてくださいよ司令官」 提督「吹雪さんこそ」
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12: ◆36ujqGfUl2[sage saga]
2016/07/02(土) 15:46:10.41 ID:80yP8BrP0
(深海棲艦の正体は未だにわかってはいないが、人間の行いが彼らを生んだという説は多く、根強い……。私たちは艦娘を自分たちの罪に対する盾だけでなく、この上に人が重ねる罪を裁くことすら任せている)
「あ、提督がまた変なこと考えてる」
「考えてません。……私が語れる言葉は多くありません。お気をつけて」
「はいはい。了解でーす」

 陽炎は言葉はいいかげんに、しかし、そのまま教本に載せられそうな、しっかりとした敬礼をした。
 提督もまた返礼する。
 別れの挨拶だった。

「では、失礼しま……あ、そうそう」
「どうかしましたか」
「吹雪がですね、ひょっとすると軍に残るかもって言ってました」
「なんだと」
「あ、敬語が」
「失礼。それは本当ですか」
「さっき自分で言ってたので本当だと思います。ひょっとすると卒業を前にして冗談を習い始めたのかもしれませんけど」
「……なるほど。ありがとうございます」
「いえいえ。それじゃ、本当にわたしはこれでー。今までありがとうございました、またそのうちに!」

 最後まで陽炎は明るく笑って去っていった。さびしくはあるし申し訳ないとも思う。
 少し、晴れがましい気持ちもある。

 と同時に、最後に陽炎が残した言葉が気にかかる。後で考えよう、と思うのだが、どうも仕事が手につかなくなってきた。
 すぐに本人に確かめてみる。そういう選択肢もあるか。しかし……できれば艦娘たちが選ぶ道に干渉をしたくない。これは、彼女たちがその生の中で、初めて自分で将来を選ぶ決断なのだ。
 それを自分も見届けたい。


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