過去ログ - 吹雪「はやく辞めてくださいよ司令官」 提督「吹雪さんこそ」
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66: ◆36ujqGfUl2[sage saga]
2016/08/11(木) 01:23:24.91 ID:oGmpBAz/0
「あの人が言っていたことは、ほんとうだったと思います」
「本当」
「私達のことを、ほんとうに好きになったんだって……好き、って言葉で正しいのか、わかりませんけど」
「……わかったのか。僕にはわからなかった」
「なぜか、わかりました。私の信号受信能力のせいかもしれません」

 建造後のテストでは、親潮は初月よりも信号受信テストでは高い成績を収めていた。
 艦娘は感情、体調など様々な要因で信号を変化させる。受信側の能力が高ければ、変化した信号から相手の情報を読み取ることもできるのだという。
 しかし、高い受信能力を持っていたとしても、生まれたばかりの艦娘に普通はできることではない。
 あの時、親潮は吹雪をその全感覚でとらえようとしていた。決して目をそらさなかった……そらせなかった。極限の緊張が、彼女の感覚を常識を超えて鋭敏にしていたのかもしれない。

「でもそれなら、その……そういうことはしないはずだ」

 自分たちに好意を抱いているというのならば、親潮が危惧するような事態は起こらないはずだ。昨日あんなに自分たちがおどかされたのは、少し意地悪をしてやろうというつもりだった、とか。問題は、吹雪は歴戦の艦娘だったので、『少しの意地悪』に自分たちが耐えられなかったことだ。それだけ。
 そうも考えられる。
 そう考えたかった。
 だが、親潮の表情は暗いままだ。


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