過去ログ - 開かない扉の前で
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58:名無しNIPPER[saga]
2016/07/07(木) 01:06:07.15 ID:btuqrQDio

「ここ、廃墟になってるとはいえ、取り壊しになってないだろ。
 なんでも元の持ち主が、いつか再建するつもりで所有したまま建物を残してるらしい。
 それで、アトラクションや建物を、たまに元の従業員が清掃したりしてるらしいんだ」

「……つまり、清掃中ってこと?」

「だとしたら照明がついていてもおかしくないし、人がいてもおかしくないし、鏡が綺麗なのも変とまでは言えない」

 たしかに筋は通っていたけど、納得できる気はしなかった。
 
「……人のいる方にいけば、出口にはたどり着けるかな?」

「たぶん。でも、見つかったら怒られるぞ」

「……謝るしか、ないよね」

 ケイくんはわたしの方を見た。彼には悪いけど、わたしは一刻も早くこの場を離れたかった。

「……とりあえず、声の方に進むか」

 わたしは頷いた。
 それから、声の聴こえる方に近づこうとするあまり、二、三度鏡に肩をぶつけるはめになった。
 
 そうしながらもどうにか方向感覚を見失わずに、徐々に誰かのいる方に近付いていった。




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