441: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/22(日) 06:58:05.37 ID:pDh4s1USO
とある夜、龍驤の部屋。
いつものビールではなく、テーブルに置かれているのはコーヒーが二つ。
442: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/22(日) 07:00:45.65 ID:pDh4s1USO
「そん時は、助けられたと思うとった。
…せやけどそないなもん、命だけやったわ。
北上が前の鎮守府配属された頃か。隣との合同作戦で再会してな…ああ、やっぱこっちの世界に来てもうたんか思うたよ。
443: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/22(日) 07:02:42.00 ID:pDh4s1USO
翌日の夜。
ケイはこの日、珍しく提督専用住居である、鎮守府内の平屋へ招かれていた。
444: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/22(日) 07:08:01.65 ID:pDh4s1USO
「戦争も、終わりが近えな……どうよ、仇討ちは果たせそうか?」
父が子に語る様に、提督はそう投げ掛ける。
445: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/22(日) 07:09:30.81 ID:pDh4s1USO
「ま、今日来てもらったのは、たまには若人の参考に、おっさんの話でもしてやろうと思ってな。」
「まーた逃げた奥さんの話ですかー?提督が未練タラタラなのはよーく知ってますよー。」
「……実は嫁が出てった先は知ってるぜ。そこだ。」
「………え?」
446: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/22(日) 07:11:01.11 ID:pDh4s1USO
ありゃ結婚して3年ぐらいの時か。
当時の俺は少佐でよ。
とは言ってもなりたてだ。何やかんやで、しょっちゅう海に出ててよ。日本中飛び回ってた。
447: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/22(日) 07:13:58.17 ID:pDh4s1USO
上陸しようにも、海にはあいつらがうようよいる。
そりゃ派手にドンパチやってよ。でもどっちも引かねえみてえな状態で、こっちも怪我人どんどん出て……ちっとも進まねえんだ。
そうしてる間にも、遠くの銃声や悲鳴も、火の手もどんどんでかくなっていきやがる。
448: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/22(日) 07:16:23.02 ID:pDh4s1USO
「はは…おいおい、何のギャグだよ……なぁ…つまんなすぎんだろ…。
ははは……ひひ…嘘だろオイ………あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!」
449: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/22(日) 07:18:37.12 ID:pDh4s1USO
「……………。」
「……どうした?顔が怖えぞ?」
「………提督。この戦争、絶対に勝ちましょう。こんな事、早く終わらせなきゃいけない。」
「お前ならそう思うだろうと思ったよ。で、絶対そう言うと思った……だかしかーし!」
450: ◆FlW2v5zETA[saga]
2017/01/22(日) 07:22:01.13 ID:pDh4s1USO
“あの話して、俺に怒りを覚えねえか……よく出来た部下を持ったよ。
ケイも、北上も…龍驤や夕張も…いや、ここの奴ら全員か。
俺はてめえの復讐の為に、あいつらの恨みや事情を利用してるだけだ。
644Res/552.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。