67: ◆FlW2v5zETA[saga]
2016/07/12(火) 04:55:11.49 ID:jl9oy6I4O
「ただいま戻りました!」
「おかえりー。どこで休んでたの?」
工廠へ戻ると、ケイはコーヒーを片手に外でタバコを吸っていた。
どちらかと言えば童顔な彼が重めのタバコを吸う様は、何とも不釣り合いな光景を醸し出す。
一方夕張はタバコは好まないようで、それを見て渋い顔を浮かべていた。
「談話室よ。あなたタバコ吸うのね、止めるなら早い方がいいわよ?
ただでさえ、私達はオイルや薬品使う仕事なのに…。」
「せいぜい月に一度だよ。
いやー、久々に煮詰まっちゃってね…そんな時ぐらいしか吸わない。」
「どうしたの?」
「新兵器の開発がね。なかなか良い形にならなくて、どうしたもんかと。」
「なん…だと……?」
新兵器の開発と言うワードが出た瞬間、夕張の目はすき焼きの椎茸のごとくキラキラと輝き始めた。
一方ケイはと言うと、もはや心ここに在らずと言った具合に、魂を吐き出すかの如くタバコを吐き出す様。
そしてそんな彼のタバコを奪い、夕張は思いっきりそれを吸い上げると。
「ゲッホアアアア!!??」
何とも可愛げの無い咳を吐き、涙目になりながらもニヤリと笑って見せた。
「けほっ…ケイくん!魂吐いてる場合じゃ無いわよ!
一人より二人!アイディア出し合えば良いものできるかもしれないじゃない!ほら、戻ろ?」
「お、おい!」
ケイの手を引いて工廠へと飛び込めば、そこにはパーツと設計図が置かれていた。
それを見て何を作ろうとしているのか察した夕張は、ふふん、と得意顔を浮かべている。
これはいい、ここは相方として並ぶ良い契機になるではないか。
その予感を感じた彼女は、真っ先に愛用のツールボックスへと手を伸ばすのだった。
644Res/552.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。