11:名無しNIPPER[saga]
2016/07/09(土) 00:55:43.89 ID:Px08eZlJ0
プロダクションの倒産から数年、先輩とも連絡を取ることはなくなっていたが、幸せそうな知らせが届いて安心したものだ。
同時に、先輩の担当していたその少女が今どうなっているのかは気になっている。
それにしても、彼女のいう招待状というのはそのことであっているのだろうか。
僕はともかく、彼女が先輩から招待状を貰うというのはいまいちピンとこない。
僕が知ってる限り、二人が交流することなんて特になかったはずだ。
お互い人付き合いが上手だったのに、必要以上に関わることがなかったのは、二人の間で何かしら暗黙の了解があるように僕には見えていた。
「結婚するの、前の担当の子とだよ」
訝しんでいた僕を見て彼女が言う。二重の意味で虚をつかれる。
読心術でもあるのかと疑うと、分かりやすいからとあしらわれる。
前の担当の子と結婚。
そうか、確かに先輩の結婚相手の名前に既視感があった。
ただ、僕には彼と彼女の仲の良さが『そういったもの』とは違う別の物に感じていて、どうしても頭の中で繋がらなかった。
さらにもう一つ、歳の差というのも気付けなかった要因だろう。
先輩は僕の三つ上、担当の子がアイドルだった頃は確か中学生くらいだったはずだ。
祝福する気持ちより犯罪じゃないかという不安の方が首をもたげたが、パフェをもう空にしてしまいそうな彼女を目の前にすると、何かどうでもいいことに拘っているという気分になる。
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