過去ログ - 飛鳥「理解(わか)ったよ……真実は都のものだ」【モバマスSS】
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39:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:28:42.06 ID:gQuthCsR0
「ああっ!」
今まで俯いていた武内Pが、
突然大声で叫んだ。
都の大声と比べると迫力があり、それは天と地ほどの違いがあったので、
僕達は全員、床から数センチ飛び上がる程驚いた。
以下略



40:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:30:38.86 ID:gQuthCsR0
僕と同じように興奮している周子が、僕の言葉に割って入った。
「なるほど、そうか! だから犯人は無断でアイドル部門の倉庫の鍵を持ち出して、
 その箱を“開かずの間”に持ってきたんだよ!
 仮眠室用の寝具が入っているダンボールなら、
 中は毛布とかだったんだろうし、箱を足場に出来ると思う。
以下略



41:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:32:49.05 ID:gQuthCsR0
僕が先程、言い掛けていたことの続きを言った。
「犯人は足場を使わずに点検口に上がるための細工を、
 アイドル部門の倉庫にあるダンボールを足場に使って成し遂げた。
 予めビスを外しておいて、スイッチに輪っかを取り付けて、
 点検口に縄梯子を設置するということだ。
以下略



42:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:34:44.40 ID:gQuthCsR0
垂れ下がった縄梯子をぐいぐいと上った僕と周子は、
手に持ったスマホのライトを点灯させて、辺りをぐるっと見回してみた。
埃っぽい熱気が充満していて、
汗と制汗剤の混じった匂いに包まれた。

以下略



43:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:36:26.54 ID:gQuthCsR0
僕はあちこちにスマホのライトを当てて観察(み)た。
……ただ空中を漂っている埃がキラキラと光っているだけだ。
どこに行くともなくフラフラと空気中を彷徨う埃が光って見えているだけだ。

少しだけ空気の流れを感じた。
以下略



44:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:37:39.02 ID:gQuthCsR0
「蜘蛛は空気の通り道を探して、“開かずの間”の密室から脱出する機会を探したはずさ。
 僕が“あの彼”だったら……いや、蜘蛛の気持ちになるなんて笑っちゃうけどさ。
 僕が彼だったら、換気扇と点検口は空気の通り道だと思ったはずだ。
 つまり、床で扉が開くのを待つより、
 天井で換気扇と点検口の近くにいる方が動物として正しいんじゃないか?
以下略



45:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:41:31.66 ID:gQuthCsR0
僕が投げだスマホは光を辺りに撒き散らしながら、
天井裏の奥に飛んで行った。

だが、途中で柔らかい物に当たったかのように弾き飛ばされ、
物理法則を完全に無視したかのように僕の方へ跳ね返ってきた。
以下略



46:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:43:35.02 ID:gQuthCsR0
縄梯子を伝って降りてきた僕達は、
都、武内P、ちひろが待つ部屋まで降りてきた。

周子が頬を膨らませて言った。
「結局、ワトソンちゃんに美味しいとこ取られた。
以下略



47:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:44:59.48 ID:gQuthCsR0
と思ったが、一番最初に話しかけたのは都だった。
「なるほど、あやめさんが持っているのは刀傘ですね?
 随分と傘の部分が黒いようですが……。
 もしかしてこれは、艶消しの塗料でしょうか?」
「おおっ! 都殿の仰る通り、原田殿や拓海殿といった、車用塗料に詳しい方々からの助言を頂きまして、
以下略



48:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:48:59.12 ID:gQuthCsR0
一人でやるには面倒な作業だが、
二人でやる作業だと言うのなら簡単なことだっただろう。

遂に武内Pが深いため息の後に言った。
「ふぅ……まず、私から言わせて貰いたいのは、
以下略



49:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:50:42.69 ID:gQuthCsR0
武内Pはその言葉を聞いて、一拍置いてから続けた。
「……では、ここの鍵を無断で所持しているのも間違いありませんか?」
杏がポケットから鍵を差し出した。
「はい、持ってます」

以下略



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