6: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:35:31.12 ID:z6mFNZbg0
「もうびしょぬれじゃない。かさはどうしたの?」
「あれ?……なくした!」
7: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:37:51.80 ID:z6mFNZbg0
母がバッグからハンカチを取り出して私の頭をごしごしと拭いた。
「ねぇねぇお母さん!」
8: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:52:38.75 ID:z6mFNZbg0
「お母さん!私もチロ!運転したい!」
「はいはい。お母さんのひざの上来る?」
9: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 12:54:36.98 ID:z6mFNZbg0
あの頃の私はドイツ戦車の大ファンで、お気に入りはティーガーだった。
しかしお母さんの八九式だけは日本戦車だけど特別だ。
10: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 13:03:33.12 ID:z6mFNZbg0
「なんで泣く人が立派なの?」
「ほら小梅、次の交差点を右に曲がるわよ」
11: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 13:49:14.98 ID:z6mFNZbg0
ビーッ、ビーッ、ビーッ、ビーッ、
いやだ、こんな音は聞きたくない。
12: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 13:52:30.00 ID:z6mFNZbg0
「小梅ちゃん!」
浸水を警告するアラームが鳴り続けていた。
13: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 13:55:23.55 ID:z6mFNZbg0
岸はほんの数メートル先に見えていた。
しかしそれは、そうあってほしいと願う私が見た幻だった。
14: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 13:59:06.40 ID:z6mFNZbg0
怪物が牙の生えた大きな口で私たちの戦車を噛み砕こうとしている。
鋼鉄の車体など簡単に引きちぎってやるぞと、何度も上下にゆさぶってくる
15: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:00:38.31 ID:z6mFNZbg0
「外に逃げないと!」
「だれか助けて!だれかぁっ!」
16: ◆JxFTtO5TBE[saga]
2016/07/17(日) 14:02:14.42 ID:z6mFNZbg0
計器と照明の灯りがすべて消えた。
鳴り続けていたアラームが消えた。
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