18: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:58:12.17 ID:BS+DXwC20
この答えは、どうなのだろう。『正解』なのだろうか。
私は間違えなかったのだろうか。
19: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:59:29.00 ID:BS+DXwC20
――収録が終わり、私と卯月は車の中に戻った。
ちひろは現場のスタッフと簡単な打ち合わせをしているらしく、しばらくは卯月と二人きりだ。
20: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:00:32.18 ID:JY7Hx0GQ0
彼女は一度迷ったように視線を彷徨わせたあと、身を乗り出して私に言葉をかけた。
卯月「そ、そんなことないですよ! 私だって、他のみんなみたいに何か才能とか、そういうのがあるわけじゃないですし……」
21: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:01:34.54 ID:JY7Hx0GQ0
私にはできない、そんな笑顔。
それがあるだけで、卯月はこんなにも輝いていられる。そのことが、なぜだか酷く寂しい。
22: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:03:29.66 ID:JY7Hx0GQ0
――次の仕事があるという卯月を次の仕事場所に送り届けてから、私は千川ちひろと共に事務所に向かっていた。
ちひろ「お疲れ様でした。初めはひやひやしていましたが、終盤は良い感じにまとまってましたね」
23: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:05:43.66 ID:JY7Hx0GQ0
ちひろ「のあちゃんは、ミステリアスなアイドルになりたかったですか?」
のあ「……私に謎なんてないわ。ただ空っぽなだけ」
24: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:07:21.06 ID:JY7Hx0GQ0
その夜、私はプロダクションに併設されている寮の屋上に出ていた。
二十三時の夜空には、一点の星も見当たらない。月は、薄い黒雲の向こう側で微かに光っているだけだった。
25: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:08:56.58 ID:JY7Hx0GQ0
のあ「私も、あんなふうに、」
誰かを見守る温かな光になれるだろうか。
26: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:10:10.09 ID:JY7Hx0GQ0
ちひろ「どんなに見上げたって、星なんか見えませんよ」
27:名無しNIPPER[sage]
2016/07/27(水) 00:10:52.18 ID:k9+/ojff0
いい雰囲気だわ
28: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:11:41.11 ID:JY7Hx0GQ0
私の囁きを打ち破って、彼女の声が響いた。
彼女の声の余韻が、耳鳴りとなって私の脳を突き刺す。
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