60: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:57:44.85 ID:JY7Hx0GQ0
ちひろ「うん、良い空ですね。雲もありません」
屋上へ続くドアを開けた彼女は、疲れを吹き飛ばすように一度大きく深呼吸をした。
61: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:58:35.63 ID:JY7Hx0GQ0
ちひろ「うん、よく見えますよ、今日は」
レンズから目を離したちひろは、空を仰いでそう零した。その先に広がっているのは、昨日までと同じ何もない空だ。
62: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:59:45.23 ID:JY7Hx0GQ0
私はその光景に耐えかねて、目を離し何もないはずの空を見る。
望遠鏡の先、
63: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 01:00:36.46 ID:JY7Hx0GQ0
ちひろ「驚きすぎて声も出ないですか? わたしも初めて見たときそうでした」
いまだに、身体中が痺れている。
64: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 01:01:30.73 ID:JY7Hx0GQ0
ちひろ「これは、わたしの恩師が言っていた言葉です。光り輝く星々は、彼女達の望むべき理想であって、アイドルはそれに手を伸ばそうとする存在であると」
ちひろ「アイドル達は、憧れたんです。こういう光たちに」
65: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 01:03:31.77 ID:JY7Hx0GQ0
ちひろ「何かが変わるんじゃなくて、変えるんです」
変わらなければならない。
66: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 01:05:09.77 ID:JY7Hx0GQ0
空を、仰ぐ。光は見えない。
だけどそこにある望遠鏡を覗いたなら、違う世界が広がっている。
67: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 01:06:07.31 ID:JY7Hx0GQ0
でも、そこを超越したなら、自分が知らなかったことさえ知らなかった世界が在ったのだ。
68: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 01:07:40.39 ID:JY7Hx0GQ0
――歓声が、近い。
69: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 01:09:26.61 ID:JY7Hx0GQ0
ちひろ「本当は、プロデューサーさんがここにいるべきなんだろうけど、中継用の機材トラブルで呼び出されているみたいで……」
のあ「それも彼に才能があるが故……誇りに思うわ。それに……私は送り出してくれるのが貴女でも嬉しいもの」
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