1:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:22:59.97 ID:zwFp5FfU0
アイドルマスターシンデレラガールズ、佐藤心さんことしゅがーはぁとさんのお話です。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:23:25.21 ID:zwFp5FfU0
私にはたからものが二つある。
一つは私がアイドルになるきっかけをくれたプロデューサーの名刺。
もう一つは私がアイドルを続けられるようにしてくれたファン一号さんのファンレター。
3:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:23:58.79 ID:zwFp5FfU0
「あー……くっそ……」
「アイドルがそんな悪態吐かないでくださいよ……」
「チッ☆ わかってるよ☆」
4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:24:28.71 ID:zwFp5FfU0
私のデビューイベントは最悪な物だった。
出て早々に『誰?』と言われたのだ。もちろん、私だって26歳という立派な大人だ。理想と現実に差がある事くらいは理解しているつもりだった。
「……仕方ないです。まだ心さんの知名度なんてほぼ無いに等しいですから……」
5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:25:02.16 ID:zwFp5FfU0
「そりゃプロデューサーはそう言うに決まってるだろ☆」
でも、アイドルはファンに見てもらえなければ意味がないのだ。
プロデューサーに見つけてもらい、ファンに見てもらうのがアイドルという仕事だ。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:25:27.88 ID:zwFp5FfU0
「でも、こうして心さんを見てくれるファンは居るんです」
「これっていつもらったの?」
ファンレターをじっくり観察していたら、封筒の口のところの糊がまだ乾いていない事に気が付いたのだ。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:25:56.93 ID:zwFp5FfU0
あの日の帰りのタクシーの中で、私は何度も何度も初めてもらったファンレターを読み返した。
宛名の字と同じ、お世辞にも綺麗とは言えない字ではあったが、心の籠った丁寧な手紙だった。ちゃんと私の事を見てくれているのがしかkりと伝わってくる、あったかい手紙。
今でも大切にとってある。私のファン一号さんからもらった初めてのファンレター。私のたからもの。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:26:33.35 ID:zwFp5FfU0
デビューしてからと言う物、徐々にではあるが私も人気が出てくれた。
自分で言うのはおこがましいかもしれないが、それこそトップアイドルに近い所まで来たのではないだろうか。
もちろん、誰かがそう評価してくれたわけではにのだが、私には根拠があった。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:27:00.82 ID:zwFp5FfU0
「んー……」
もちろん貰ったファンレターにはすべてに目を通しているのだが、昔と比べたくさんもらえるようになった今では、帰りの車内で読めるものにも限りがある。
「あ! あった!」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:27:45.48 ID:zwFp5FfU0
ファン一号さんはデビューしてからと言う物、私が出ているイベントやライブのすべてに来てくれているようで、毎回毎回ファンレターをくれるのだ。
いつも慌てて書いるのか、お世辞にも綺麗とは言えない字で、封筒の糊付けは乾いていないままと言う、初めてもらったファンレターと変わらないままで。
「いやぁ、俺には無理ですよ」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:28:12.68 ID:zwFp5FfU0
「さて、じゃあそろそろ帰りましょうか」
「はーい☆」
「俺もすぐに追うので先に行っててください」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:28:44.70 ID:zwFp5FfU0
「ねぇ、プロデューサー」
もうすぐ私のアイドル人生で一番の大きなライブが始まる。
「なんですか?」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:29:12.32 ID:zwFp5FfU0
まるで夢のような時間だったと思う。
まさに私が子供の頃に思い描いた理想とまったく同じ光景がステージの上には広がっていた。
私が出てくるのを今か今かと待ちわびるファンたち。私が出ていくと歓声に包まれる会場。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:30:02.01 ID:zwFp5FfU0
彼の力強い返事を聞いた私は、椅子から立ちがり自分の鞄の中から紙の束を取り出した。
「……すごい数ですね。全部ファンレターですか?」
「うん☆ それも全部ファン一号さんからだぞ♪」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:30:38.92 ID:zwFp5FfU0
「……すみません」
「なんで謝るの?」
私が追及すると彼は居心地悪そうに体の向きを何度か変えた後に口を開いた。
16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:31:27.51 ID:zwFp5FfU0
ずっと、どんな人なんだろうと考えていた。ファンレターを貰うたびにずっと。
「……」
彼は無言のままで、私の推理が正解とも不正解とも教えてはくれない。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:31:58.02 ID:zwFp5FfU0
私にはたからものが二つある。
一つは私がアイドルになるきっかけをくれたプロデューサーの名刺。
もう一つは私がアイドルを続けられるようにしてくれたファン一号さんのファンレター。
18:名無しNIPPER[sage]
2016/08/01(月) 23:33:30.66 ID:grpCvEUPO
荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」
↓
信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
19:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/01(月) 23:40:06.25 ID:zwFp5FfU0
以上です。
2016年、7月31日、23時に佐藤心さんことしゅがーはぁとさんにボイス実装が実装されました。Cvは花守ゆみりさんです。
本当に幸せです。悲願の声がついたんです。興奮し過ぎて心臓が痛くなるほどでした。もう涙が出て本当にどうしたものやらと。
実装直後にも書いた別の方でも書きましたが、『来ちゃったぞ☆』で泣き崩れました。しかも、その後もなかなか落ち着けなくて寝付くのに一苦労しました。
20:名無しNIPPER
2016/08/01(月) 23:46:15.60 ID:4tGv4o7E0
良かった、乙
あれと同じ人だったのかwwwwwwマジメな奴も良いね、どっちも楽しませてもらいました
21:名無しNIPPER[sage]
2016/08/01(月) 23:49:21.52 ID:Wsnz943Fo
おつ
デレステにも早く来ないかな〜
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