17:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:41:27.73 ID:1/zk8vPV0
ようやく完全に落ち着きを取り戻した僕は額から手を外すとムラサキに呟いた…。
「津村奈緒に…」
ムラサキはジッと僕を観察している。
18:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:42:17.16 ID:1/zk8vPV0
誰も見てないんかな?
第一章 海辺の町 DAY1
19:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:44:18.56 ID:1/zk8vPV0
ようやく長い山合いの道を抜けると目の前には青い海が広がり僕は自転車を停めた。
「よっしゃあああああああ!」
汗だくの僕はそう雄叫びを上げて両手を空へと突き出す。
20:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:46:02.77 ID:1/zk8vPV0
あれ…?
自転車を降りて立った状態でズボンを探しまくる。
勿論、ただの短パンなのでポケットの数なんて知れていた。
冷たい汗が止めどなく流れ始めていた。
21:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:47:26.06 ID:k0/bWBKq0
ああ…もう、どこ…?
何なんだよ荷物、訳わからんもん入れ過ぎだろ…何でチクワなんか入れてんだよ…
真夏の喉渇きまくりの時に何でチクワを食べるのか昨日の俺にレポートを提出させろよ…。
僕の冷たい汗が暑さの汗を完全に上回った頃。
22:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:48:33.18 ID:k0/bWBKq0
「ハァァァァァ…」
かなり深い溜息をついて僕は海を見た。
海は深い青色で水面にはタプタプと波打っており、その下で泳ぐ魚達の姿を映し出していた。
少し深い場所なので流石に海底までは見えないが、それでも透明度の高い海には違いない。
23:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:49:28.47 ID:k0/bWBKq0
こんな素敵な夏なのに…僕は携帯を失くした。
「ハァァァァァァァァァァ…」
そう思い一際激しい溜息をついた時に後ろから「ビッビー」とクラクションの音がした。
24:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:50:25.35 ID:k0/bWBKq0
「なーおー!」
僕はそう叫びながら振り向いた。
そこには一台の軽四の助手席の窓から顔を覗かせている女の子がいる。
僕は半分泣いて、半分笑顔でその軽四の側に駆け寄った。
25:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:51:10.40 ID:k0/bWBKq0
運転席に座っていた信一が「分かった」と呟いて僕を見た。
「…取り敢えず…あれだ。タイトルだけを話せ…な?」
信一の言葉に僕は頷いた。
26:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:51:51.03 ID:k0/bWBKq0
「だぁ〜!何で分かんないんだよ!分かるだろ!アレ、あれだよ!」
「いや、それはどうでも良いけど…何で六話目なん?」
「…てか、何のアニメでも何話でも良いよ…」
奈緒が心底どうでも良い顔をしていた。
27:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:52:19.75 ID:k0/bWBKq0
「取り敢えずあれだ。早く携帯の停止の手続きした方が良いぞ」
僕がやっと携帯を無くした旨を伝えると信一がそう言った。
「ハァ〜最悪だわ…」
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