過去ログ - 海辺の町と赤く染められた国
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173:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:00:48.79 ID:VLnMOMfy0
「君は世界を救わなくちゃいけないんだ!」

その言葉に閉じかけた目を開けた。そして起き上がりパンダを見る。

「…世界を…救う?」
以下略



174:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:01:44.89 ID:VLnMOMfy0
「君はね…選ばれた人間なんだよ…!」

選ばれた人間…。
その言葉に僕は布団から跳ね上がる様に立ち上がった。

以下略



175:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:03:02.60 ID:VLnMOMfy0
すぐにテンションが上がって話を聞かないのは僕の悪い癖だと小学校時代の山川先生に通知表に書かれていた事を思い出した。

「…良いかい?僕の言う事をよく聞いて欲しいんだ…」

パンダの少し怒りを抑えた声に僕は黙って頷く。
以下略



176:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:09:06.40 ID:VLnMOMfy0
朝、目が覚めると勿論僕の前にはパンダは居なかった。
まあそれは分かっていた。あれが夢かどうかは置いといて、こう言う場合のパターンでは決まって『え?あれって夢だったの』的な感じにする為に朝にはその存在が消えている。
それは知ってる。
僕は時計の針を確認した。時計は朝の五時を少し過ぎた時間だった。
いつも通り自分の体内時計には感心を覚える。
以下略



177:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:10:15.24 ID:VLnMOMfy0


「おう、起きたか」

居間で目覚めた信一を見ながら僕は漬物をパリパリとする。
以下略



178:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:11:15.69 ID:VLnMOMfy0
「達矢にいちゃあん!」

そう言って僕の名前を呼ぶ。

「おう、チビ共おはよう!」
以下略



179:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:12:17.34 ID:VLnMOMfy0
「…ごめんなさい」
「いやいや、もう五年じゃないっすか」

叔母さんの謝罪を信一は笑って受け流す。コイツのこう言う所が…僕は好きだ。

以下略



180:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:13:07.68 ID:VLnMOMfy0
「ねえねえ、奈緒ちゃんも行こう?海ー」

チビ達が奈緒に言うと一瞬、彼女の目が泳いだ。

「…奈緒は良いじゃん、達矢兄ちゃんと信一のバカで連れてってやるよ」
以下略



181:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:13:52.66 ID:VLnMOMfy0
「奈緒ちゃん、行くのぉ!やったあ!」

チビ達が口々に喜びだした。
俺は奈緒を見る。奈緒は困った表情で笑っている。

以下略



182:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:15:03.64 ID:VLnMOMfy0
「あんまり心配し過ぎるなって…」

砂浜に向かう途中で信一がそう言う。

「…いや、でもさ」
以下略



183:1 ◆sfGsB21laoBG
2016/08/11(木) 18:15:44.63 ID:VLnMOMfy0
「達矢にいちゃーん、浮翌輪膨らませてえ」

チビ達の言葉に僕は笑う。

「よっしゃ!兄ちゃんはスゲえ膨らませるぞぉ。膨らませ過ぎて浮翌輪が宇宙まで行っちゃうぜ」
以下略



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