22:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:48:33.18 ID:k0/bWBKq0
「ハァァァァァ…」
かなり深い溜息をついて僕は海を見た。
海は深い青色で水面にはタプタプと波打っており、その下で泳ぐ魚達の姿を映し出していた。
少し深い場所なので流石に海底までは見えないが、それでも透明度の高い海には違いない。
23:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:49:28.47 ID:k0/bWBKq0
こんな素敵な夏なのに…僕は携帯を失くした。
「ハァァァァァァァァァァ…」
そう思い一際激しい溜息をついた時に後ろから「ビッビー」とクラクションの音がした。
24:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:50:25.35 ID:k0/bWBKq0
「なーおー!」
僕はそう叫びながら振り向いた。
そこには一台の軽四の助手席の窓から顔を覗かせている女の子がいる。
僕は半分泣いて、半分笑顔でその軽四の側に駆け寄った。
25:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:51:10.40 ID:k0/bWBKq0
運転席に座っていた信一が「分かった」と呟いて僕を見た。
「…取り敢えず…あれだ。タイトルだけを話せ…な?」
信一の言葉に僕は頷いた。
26:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:51:51.03 ID:k0/bWBKq0
「だぁ〜!何で分かんないんだよ!分かるだろ!アレ、あれだよ!」
「いや、それはどうでも良いけど…何で六話目なん?」
「…てか、何のアニメでも何話でも良いよ…」
奈緒が心底どうでも良い顔をしていた。
27:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:52:19.75 ID:k0/bWBKq0
「取り敢えずあれだ。早く携帯の停止の手続きした方が良いぞ」
僕がやっと携帯を無くした旨を伝えると信一がそう言った。
「ハァ〜最悪だわ…」
28:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:53:08.90 ID:k0/bWBKq0
僕はそのスマホをパクりと口に咥えた。
「キャアアアア!何すんのよ!」
奈緒が慌ててスマホを取り戻す。
29:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:54:18.45 ID:k0/bWBKq0
「あらあら、達矢ちゃんはホントに奈緒が好きなのねぇ。ずっと奈緒と仲良くね!」
「はい!必ず奈緒を幸せにします!」
「いやああああ!お母さん!達矢はタダのストーカーじゃない!」
「親、公認のストーカーだな」
30:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:55:20.23 ID:k0/bWBKq0
「辞めろおおお!乗る訳ねーだろうが!」
「大丈夫だって…何でそんなにスグに諦めるんだ?お前はいつもそうやって何でも諦めようとする…」
「そんな教師の体で言われても無理!」
運転席から降りて来た信一に僕の自転車はポイッとされた。
31:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:56:00.92 ID:k0/bWBKq0
「てかさ、何でワザワザ自転車で来たのぉ?お兄ちゃんの車に一緒に乗ってきたら良かったのに」
奈緒が窓に頬杖を付きながら尋ねた。
「ふ…男はな、甘えちゃいけねーんだよ…」
32:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 12:56:52.85 ID:k0/bWBKq0
「頑張ってねー!」
窓から奈緒が笑いながら手を振っていた。
「待てえ!この野郎!」
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