過去ログ - 提督「グラーフ・ツェッペリン、割り箸を割る」
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13:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 01:46:10.17 ID:IPF1yQGEO
いつの間にか草庵の庭で紅茶を飲んでいた金剛がグラーフ・ツェッペリンに笑って言った。「このラヴがたとい外部から植え付けられたものであったとしても、現に私は提督を愛しているネー。それだけで私には十分デース」。

グラーフ・ツェッペリンは割り箸を転がしながら答える。「艦娘として私達のほうはそれでよいかもしれない。しかし、アドミラルはどうだ。設計された好意に虚しさを覚えはしないだろうか」

「虚しさデース?」

「私達の好意が正規的な発生でないなら、それは条件に依存する不安定なものだ。アドミラルはそんな砂上の楼閣の如き愛を喜ぶだろうか」

「グラ子は、例えば私達が艦娘でなくなった時や提督が提督でなくなった時に、私たちはそれでも彼への愛が持続するのかを心配してるってことデース?」

「私はこの愛が本物か偽物かを知りたいだけだ」

「私からしてみれば、条件の変化で愛想を尽かしたりするのって普通の恋愛だと思いマスけど、例えば相手が暴力を振るうようになって別れるなんてよくあることデース」

「その場合は相手を好きになるのも嫌うのもその当人の自然意志ではないか。私達の場合はそもそも不自然な形で操作されているわけだから状況は異なるはずだ」

「グラ子が知りたいのは、そのラヴが本当にただ外部から操作されただけなのか、それとも内心からの自然的なものも含むかどうかってことデスカ。
じゃあ、聞きますけど、その問に対して答えが完全に明らかになるのはどういう時デスカ?」

「それは本当に私達が艦娘でなくなった時になるだろう」

「なら、グラ子の要求を約言すれば『未来を知りたい』ということではないデスカ。それはナンセンスな悩みだと思いマース」。金剛はそう結論づけるとティーカップを静かに口へ持って行く。



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