2:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:14:02.62 ID:k6oCJzTP0
いつもより騒がしい、平日末の居酒屋。
楓さんが、仕切られた座敷の中でグラスを傾けながら呟いた。
からん、と氷のぶつかる音がする。
「好き」。しばらく触れたことのない感情に、胸が詰まる。
3:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:14:45.52 ID:k6oCJzTP0
疲れている自分の頭をフル回転させて、過去の記憶を手繰り寄せながら口を開いた。
「うーん、そうですね......。その人の一挙一動が気になったり、その人のことを思うと胸が痛くなったりすること、じゃないですか?」
4:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:15:28.38 ID:k6oCJzTP0
「楓さん、やけに他人事ですね」
「ええ、今まで誰かを好きになったことが無いですし......」
5:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:16:16.69 ID:k6oCJzTP0
......................................................
「プロデューサーさんの、」
「好きだった人って、どんな感じでした?」
6:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:17:47.49 ID:k6oCJzTP0
今日は趣向を変えて、小洒落たバーに寄ってみた。
暖かい色の照明。
人は少なく、クラシックの音が響いている。
7:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:18:38.90 ID:k6oCJzTP0
「プロデューサーさんは、年下が好みですか?」
「いえ、そんなこと無いですよ」
8:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:19:10.49 ID:k6oCJzTP0
楓さんの手元に、飲みかけのグラスが一つ。
(ここまで酔い潰れるのだから、相当強いワインなんだろう)
9:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:19:49.62 ID:k6oCJzTP0
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夜空に、インターホンの音が鳴る。
10:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:20:25.20 ID:k6oCJzTP0
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ドアを開けて出てきた彼女は、家で着る物さえ黄緑色だった。
「プロデューサーさん、そんなに見ないでくださいね」
11:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:21:05.74 ID:k6oCJzTP0
「それも、プロデューサーさんがしっかり調整してくださいね」
「アイドルの調整も、プロデューサーさんのお仕事ですから」
12:名無しNIPPER
2016/08/17(水) 02:21:39.98 ID:k6oCJzTP0
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寝ている楓さんを受け取って、ちひろさんが問う。
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