228:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 21:39:05.04 ID:ifFcB1G70
黙ってさそり座を探していると、こなたの追撃が横からとんできた。
「ほらぁ、せんぱい、今ならより取り見取りですよー」
「俗な言い方をするんじゃない」
229:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 21:40:16.11 ID:ifFcB1G70
「で、どなたにされるんですか?」
振り出しに戻る。
「いや。選ぶとか、その、そう言うのじゃなくない?」
230:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 21:43:08.24 ID:ifFcB1G70
「で、どなたなんですか?」
「粘るね、キミ」
231:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 21:45:13.79 ID:ifFcB1G70
「まあ、つまり何が言いたいかと言いますとー」
俺は黙って、こなたの言葉の続きを待つ。
232:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 21:48:56.01 ID:ifFcB1G70
「……俺は、今の雰囲気が好きなんだけど」
「雰囲気だけを求める人は、いつか手元に何も残らなくなります」
233:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 21:54:41.65 ID:ifFcB1G70
でも、目が覚めたとき、俺はロフトに敷いた布団の中にいた。合宿に来たのは夢ではないようだ。
さすがに寝る場所は分けたほうがいい、と言ったのはいいが、寝る場所がなくて、結局ロフトを選んだことは、なんとか思い出せた。
時間を確かめると、朝の五時。いつもより遅い時間。
234:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 21:59:19.04 ID:ifFcB1G70
「イチ」
突然名前を呼ばれて、隣に座る女の子がこちらを振り返る。
235:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 22:05:35.42 ID:ifFcB1G70
「ふうん」
イチは海に目線を向けた。
彼女は左手で貝殻を拾って、波の中に投げ込む。
236:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 22:07:04.83 ID:ifFcB1G70
「うーん、難しい質問だけど」
難しい質問らしい。
「少なくとも、私は、嫌いではないよ」
237:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 22:12:50.72 ID:ifFcB1G70
結局その日は、夕方まで騒いだり笑ったり、喚いたりして過ごして、夕方頃の電車に乗って帰った。
ゴミはまとめて置いて帰っていいと言われたので、帰りの荷物はかなり少なくなっていた。
みんなはほとんど眠ってしまっている。
238:名無しNIPPER[saga]
2016/08/24(水) 22:14:02.80 ID:ifFcB1G70
合宿が終わった。
いつの間にか、夏休みが半分も終わってしまっている。
が、去年とは違って、焦燥感に駆られることはなかった。
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