過去ログ - モバP「白菊ほたると一輪の笑顔」
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15: ◆U7CecbhO/.[saga]
2016/09/07(水) 13:04:30.93 ID:QSjMH8mi0
 茹だるような暑さに気が滅入る。

 周囲は人、人、人。喧騒と雑踏に嫌気がさしながら、俺はほたるちゃんの手を引いて歩く。

 出店の鉄板と人の多さのせいか、会場までの道程は気温以上に暑く感じた。

 今日は東京湾花火大会の中継の仕事が入っている。中継と言っても基本的にはいくつかの会場の紹介と多少のリアクションがメインだ。あとは花火を映すので終わるまで鑑賞しながら待機する。

 花火大会らしく、ほたるちゃんは紺地に鈴蘭柄の浴衣を着ている。とても似合っていた。

 中継まで時間がかなりあるので、打ち合わせとリハーサル後、自由時間が設けられた。気分転換も兼ねて少し歩いてみることにしたが、人の多さに早くも後悔に苛まれる。

「人多いね、大丈夫?」

「は、はい、大丈夫です。……あの、手、離さないでくださいね」

 紅潮しているのは暑さか照れか。俺には判断できなかった。きっと、俺も同じように染めていることだろう。

 中継が始まる直前、トラブルが発生した。スタッフ曰く、カメラの電源をいれると五分前後で切れてしまうらしい。それも、三台のカメラすべて。

 急遽、別な現場から中継を開始し、こちらを後に回すことに決定した。幸い、テレビ局は近いので、終盤には交換が間に合うだろうとのことだった。


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