51:名無しNIPPER
2016/11/25(金) 15:35:32.96 ID:SSHMbeA80
わずかに表面が露出している程度だった鉱石の主張が激しくなって、壁から飛び出るように出来ている物すら見かけるようになりました。
所々に出来ている穴からは、もやもやと水蒸気のようなものが噴き出しています。
額に触れると、じんわりとにじむ汗。
しばらく前の冷たい空気が恋しくなってきました。
52:名無しNIPPER
2016/12/02(金) 17:01:03.35 ID:eCIbGQaN0
探し始めて程なく、祠のようなものを見つけました。
木ではなく石で出来たそれは、既に風化が進んでおり所々欠けてはいますが、それでもなおこの場所と相まって神々しさを感じさせてくれます。
祠に積もっている灰を払い、少し手を合わせて祈ります。
特に願いはなかったので、ふんわりとしたお祈りになってしまいましたが。
53:名無しNIPPER
2016/12/02(金) 17:01:46.14 ID:eCIbGQaN0
かさり、と近くで何かが動く音。
目を向けると体に宝石の埋まった、綺麗なトカゲのような生き物。
私に気付いてかは分かりませんが、どこかを目指して行きます。
せっかくなのでついていくことにしました。
54:名無しNIPPER
2016/12/02(金) 17:02:34.24 ID:eCIbGQaN0
出来ることならばもっと眺めていたかったのですが、残念ながらここで終わりのようです。
私には入れないような、小さな穴倉の中へと入って行きました。
あの生き物の巣なのでしょうか。
そして、その穴のそばには上へと繋がる階段が。
55:名無しNIPPER
2016/12/10(土) 20:02:23.49 ID:r6vzmOy20
階段を上って行きます。
先程までとは違い鉱石の灯りがありません。
僅かに届く光を頼りに見てみると、松明を立てかけるような金具と、そこに刺さった炭。
昔はここに、煌々と灯りがともっていたのでしょう。
56:名無しNIPPER
2016/12/10(土) 20:05:19.73 ID:r6vzmOy20
外から差し込んでくる光。暗がりに慣れた目には眩しいものです。
あと、少し。あとーーー。
急に視界が揺らぎます。
57:名無しNIPPER
2016/12/10(土) 20:06:17.34 ID:r6vzmOy20
再び夢のなか。モノクロームの世界。
森の奥の小屋の前、可愛らしい赤ちゃんを胸に抱いた女性が微笑んでいた。
雨の降る戦場。どこかの兵隊が、守れなかった街の前に立ち竦む。頬に伝って居るのは涙か雨か。
それは彼にしかわからない。
58:名無しNIPPER
2016/12/10(土) 20:07:16.01 ID:r6vzmOy20
世界が色付き始める。
きらびやかな街の灯り。白い雪。青いマフラー。緑のニット帽。赤黒いレンガ。
また世界が暗くなって遠くなる。
59:名無しNIPPER[sage]
2016/12/14(水) 20:44:11.75 ID:QAX6bhc20
乙
60:名無しNIPPER
2016/12/24(土) 16:45:13.68 ID:NRwNKGCf0
目を覚ますと街の中にいました。
恐らくはベンチだったそれは、所々欠けてはいますがまだ用は成せるみたいです。
既に枯れ果てた噴水。囲むように並ぶベンチ。手入れがされなくなった木々は各々が望むように伸びて、力強く根を伸ばしています。ここは広場だったのでしょう。
建物は既に崩れ蔦に覆われ、恐らく街を明るく彩っていた街灯ももう輝きません。
61:名無しNIPPER
2016/12/24(土) 17:01:05.12 ID:NRwNKGCf0
見上げると一面灰色の空。
雨が降る・・・程でもなさそうですが、厚ぼったく広がるそれは、太陽の光を遮って世界を暗く濁らせていました。
足元を眺めると、綺麗に敷き詰められていたはずのレンガは砕けて窪み、気をつけて歩かないと転んでしまいそうです。
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