3:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 20:58:13.42 ID:iQuGjVDwo
 「……そろそろ、だよね」 
  
  杏は病室の壁に掛けられた時計を見た。 
  そろそろ、きらりが来ると約束した時間だ。 
  
4:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 20:58:40.28 ID:iQuGjVDwo
  
 「やほー、杏ちゃん、来たよー」 
  
  だから第一声はこうなる。 
  
5:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 20:59:07.53 ID:iQuGjVDwo
  
 「大切にしてるよ?」 
  
  真顔で首を傾げるきらりに、杏は絶句。そして、ややあって唸るように呟きながら頷いた。 
  
6:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 20:59:34.57 ID:iQuGjVDwo
  
  肯定されてしまえば、自分はきらりと一緒にいられなくなる。少なくとも、こんなつきあい方は出来なくなる。 
   
  そして、きっと、多分、きらりは、肯定を、する。だろうから。 
  
7:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:00:02.74 ID:iQuGjVDwo
  
  二人の名前が出た。 
  二人の名前しか出ないことを、杏は知っている。 
  こんな会話の流れになったときに必ず出る二人の名前。 
  名前の出ない三人目を、杏は知っている。 
8:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:00:30.17 ID:iQuGjVDwo
  
 「それにさ」 
  
  きらりの笑いを耳に入れていないふりをして、杏は言葉を続ける。 
  
9:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:00:55.99 ID:iQuGjVDwo
  
 「幸子ちゃんよりカワイイよ!」 
  
  くふくふときらりは笑う。 
  
10:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:01:22.90 ID:iQuGjVDwo
  
  きらりが杏のお腹に冗談めかして呼びかける。 
  
  通常の妊婦よりもずいぶん早く、杏は入院していた。 
  
11:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:01:49.69 ID:iQuGjVDwo
  
 「ねえ、きらり」 
  
 「んにゅ?」 
  
12:名無しNIPPER[saga]
2016/09/20(火) 21:02:16.20 ID:iQuGjVDwo
  
 「だーめ」 
  
  くふくふくふ 
  
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