15: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:31:47.25 ID:UB/pX29A0
そのまま元気よく湯船に駆け寄っていく姿を想像していたまゆだったが、仁奈は何故か立ち上がらなかった。
もしかして意外と痛かったかと嫌な予感が胸をよぎったが仁奈は全く別のことを考えていた。
「仁奈もしてーです」
「えっ?」
「仁奈もまゆおねーさんの背中ながしてーです!」
「え、ええ……まゆは大丈夫ですよ?先に湯船に入ってていいんですよ?」
しかし、仁奈の決意は固いようで、まゆの提案を受け入れるような感じではない。
「だめでごぜーますか……?」
その懇願にもとれる瞳を見てしまったまゆは、それを断る術をもつわけもなく
「……まぁ、それならお願いしちゃいますか」
「えっ、いいですか!?」
無下に断ってしまうよりもこっちのほうがいいかとまゆも考えを改めた。
「じゃあ、背中をお願いしますねぇ」
「おまかせくだせー!」
後ろからうんしょうんしょと声が聞こえそうな力加減でタオルがまゆの背中を擦っていく。
(誰かに洗われるっていつぶりかしら……)
その懐かしいような感触に、まゆの脳裏には実家のお風呂が浮かんでいた。
(ああ、もうそんな昔だったんですねぇ……お母さん)
それはアイドル活動のために東京の寮に移ってから、久しく忘れていた感触だった。
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