過去ログ - 【モバマス】まゆ「ママゆ」
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5: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:23:03.48 ID:UB/pX29A0
(寮とは方向が違いますねぇ……)

 しかし、彼の仕事の支障になるようなことをしないのはまゆの信条でもある。ゆえに彼女は嘘をつくことにした。

「いえ、大丈夫です。ちょうど駅付近なので。このまま寮に戻りますねぇ」
以下略



6: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:23:32.43 ID:UB/pX29A0
「……まさか、事務所がこんなに早く閉まるなんて」

 傘を開いたまま扉の前でまゆは呆然と佇んでいた。いつもは明るい事務所からその明かりは消え失せており、いつもの活気さを微塵も感じさせない様相を醸し出していた。

「今日に限って合鍵は部屋に置いてきてしまいましたし……」
以下略



7: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:24:20.83 ID:UB/pX29A0
(……誰?)

 突然の緊張に体が強張り固まってしまう。事務所の明かりが消えているとこの通りは電灯だけで妙に薄暗くなってしまうのだ。
 ただでさえアイドル事務所だということが周知されている場所でもあるし、所謂『そうした人間』がこうした機会を狙っている可能性も十分にあった。

以下略



8: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:25:15.38 ID:UB/pX29A0
「ど、どうしたんですか!?傘もささないでこんな濡れちゃって!」

 まゆは慌てて駆け寄ると仁奈を自分の傘の内にいれる。対する仁奈は俯いており、小さな身体を震えさせていた。

「と、とりあえず拭けるところだけでも……」
以下略



9: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:25:42.48 ID:UB/pX29A0
 仁奈は髪を少し強めに拭かれているせいか、目をぎゅっと閉じながら返事をする。

「仁奈、今日はママが迎えにきてくれるはずだったんですが、急に仕事がはいったみてーで……」
「なるほど……それで、事務所まで?」

以下略



10: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:26:18.47 ID:UB/pX29A0
「仁奈ちゃん、仁奈ちゃんさえよければまゆの部屋に来ますか?こんな状態じゃ帰っても大変でしょうし……」
「えっ!?いいんですか!?」
「もちろんですよぉ。それにまゆも今日は予定がなくなっちゃったので暇してましたから」
「やったー!まゆおねーさんと一緒だー!」

以下略



11: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:27:06.64 ID:UB/pX29A0
 事務所から女子寮はそこまで距離が離れているわけではない。歩こうと思えば少し時間はかかるものの不可能ではなかった。
 つまりタクシーを使った寮までの移動時間は短いものであった。

「わぁ、すげぇひれーお風呂だー!」

以下略



12: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:28:33.74 ID:UB/pX29A0
 まゆは脱衣所に着くと急いで服を脱ぐ。そのまま身体にタオルを巻いて、浴場へ足を踏み入れた。
 この浴場は女子寮ということもあってか、設備も広さも申し分ないほど整っていた。年頃の少女達にとってそれは非常にありがたいことである。

「さて、仁奈ちゃんは……」

以下略



13: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:29:50.02 ID:UB/pX29A0
 仁奈ほどではないが彼女も雨と寒い外気に晒され続けていたたせいで身体が冷え切っていたのだ。
 しかし、仁奈のことに精いっぱいで自分のことを気にかけていなかったせいか、お湯を浴びて漸く身体の状態に気が付き、自分のことながら少し驚いた。

「だいじょうぶでごぜーますか?」
「え?」
以下略



14: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2016/09/28(水) 18:30:46.21 ID:UB/pX29A0
 まゆはそれを見届けると仁奈の後ろに膝立ちの姿勢で座り込む。

「じゃあ、身体を洗いましょうか。仁奈ちゃんは前のほうをこれで洗ってください。背中のほうはまゆが洗いますから」

 そういってボディシャンプーをつけたタオルを仁奈に渡す。仁奈は元気よく返事をするとゴシゴシという擬音がぴったしのように身体を拭きはじけた。
以下略



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