過去ログ - 芳乃「黄昏の帰り道を、そなたと二人で」
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◆6QdCQg5S.DlH
[saga]
2016/10/04(火) 20:16:34.04 ID:X90mnw8p0
「ここでそなたとまみえたのも何かのさだめでしてー」
「ゆえに、このまま別れるのはいかがなものかとー」
せっかくの逢瀬。一度の挨拶だけで済ませるのはもったいないのでしてー。
直感に任せ、長い踏切も待ち続けたゆえー、少しばかりの褒賞はいただきたくー。
「友達に噂されるぞ?」
にやり、と悪戯っぽくかの者は笑いましてー。
「そなたとなら噂されてもかまいませぬー」
負けずとわたくしもニコリと言葉を返しましたら、かの者は黙ってしまいましてー。
しばし沈黙が流れますー。
……してやったりでしてー、ふふー。
「……まあいいや」
こほん、と咳払いをしてかの者は話しますー。
「それじゃあ送っていくよ」
「感謝いたしますー」
「それではー」
かの者に手を差し伸べるのでしてー。
「……?」
しかし、かの者は察することなく首を傾げますー。
ふむー……言葉にするのは面映いのですがー。
「手と手を重ねて歩きましょー?」
「いや、それはダメだろ」
「えー?」
まさかの却下でしてー。
これなら、自分から無理やり握った方がよかったかもしれませぬー。
……まあ、隣を歩けるだけでも、わたくしは幸せでしてー、
なんてー、えへー。
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