過去ログ - 【君の名は。】「君の名を。」【夢と知りせば(仮)】
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10:名無しNIPPER[saga]
2016/10/07(金) 20:56:52.85 ID:lQVBXINYo
「瀧、俺は先にいくからな」

ネットで調べてネクタイを頑張って絞めたあと、今だに存在するそのテントを無理矢理折り込んでズボンを履く。

言われた通りおじさんがいる部屋を探し、一緒にご飯を食べた。

「お前はまだ出ないのか?」

「うん。ちょっと確認したいことがあるんやよ」

この男の個人情報やらを調べる必要がある。なにも分からずに外に出たって迷うだけだ。

「や…?ま、遅刻はするなよ。入社してまだ半月ぐらいなんだから」

なんとこの体の男、私の3歳年下なのか。なんとも言えぬ優越感が出てくる。

おじさんが家を出たところで部屋に戻り、色々と漁る。ベッドの下とか、クローゼットの下とか、机の中とか。男の子っぽいものは無い。

じゃなくて

どこの会社に勤めているのか、名前は、住所は…。

財布を確認して中から免許証を見つけ出す。

立花瀧

それが、この男の名前だ。

ふと、その名前に既視感を覚える。糸守町に、こんな名字の人間はいなかったはずなのに。

「瀧くん」

自然に声が出る。

なんだか、懐かしいフレーズで涙が出そうになる。

「瀧くん、瀧くん、瀧くん」

何度も口にしてしまう。そうしないと、大切なものを忘れてしまうような気がして。

ボロボロと零れる大粒の涙を無視して、私はずっとその名前を呼び続けた。


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