47:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:48:56.59 ID:snFV7Fpq0
ひとつ頷いて、彼はすっくと立ち上がりました。
しかしすぐにまた腰を下ろして、
「違う違う、思い出した、ゆかりちゃんに用があったの」
48:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:49:30.14 ID:snFV7Fpq0
一瞬、私は口ごもりました。
言葉以上に、眼差しが私に問い掛けていたのです。
――本当?
49:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:50:03.62 ID:snFV7Fpq0
しかし私は、揺るぐことなく頷くことができました。
もう一度、この掌に収め直した気持ちと、私の答えは、ぴったりと重なっていたのですから。
「……はいっ」
50:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:50:37.19 ID:snFV7Fpq0
3
チューバが歌うような品のある長い低音が私のおへその下の辺りをくすぐっていました。
51:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:51:11.14 ID:snFV7Fpq0
「いい目してるね〜」
「はい?」
52:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:52:07.67 ID:snFV7Fpq0
「お疲れさま。今日もいい仕事、できてたよ」
「本当ですか?」
53:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:53:21.54 ID:snFV7Fpq0
現場のことを思い出すと少し動揺もしますが、そよ風のようなものでした。
私が静かに頷くと、彼も頷き返して、
「いきなり一発当ててもダメだかんね。掘り返しても何も出て来ないから。それと、いきなり脱ぐのもダメ。あと全部脱ぐことになる。つまり、積み重ねてから一」
54:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:53:57.24 ID:snFV7Fpq0
「じゃあ練り直さないと」
「へ? はっ、裸にするつもりだったんですか?!」
55:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:54:38.28 ID:snFV7Fpq0
「でもさ、今の、いいよ」
「何がですか?」
56:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:55:11.85 ID:snFV7Fpq0
「はい」
「おっ」
57:名無しNIPPER[saga]
2016/10/18(火) 23:55:45.42 ID:snFV7Fpq0
ぐっ、と加速が掛かって、車がまた走り出しました。
するとふいに、それが私を、事務所ではなく、見たこともない新しい世界に運んでいるような心地がしました。
愉快な気持ちでした。私は未来に向かっているのです。
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