31: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/10/23(日) 09:04:52.90 ID:uhMwzG8T0
それにもう一つ……プロデューサーにはこの屋台の奇妙さとは別に、気になっていることがある。
「あの、お客は俺たちだけなんですか? 外から見た時は、もう二、三人いたように見えたんですけど」
プロデューサーが老人に、自分の感じている不安を悟られたりしないよう、極めて平静を装いながらそう聞いた。
「なんも、お客はそこん人だけよォ」
「そうだねー。あたし以外には、おにーさん達ぐらいかなー」
老人の言葉に、プロデューサーの隣に座る少女が相槌をうつ。
「なになに? もしかして外から見たら、人が一杯いるように見えたわけ?」
「ま、まぁ」
「ふーん……おかしなことも、あるんだねー」
そう言って何やら意味ありげに笑う少女の姿に、プロデューサーは心の中で、
「本当は君のことも、不思議でたまらないんだけど」と思わず呟く。
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